日常U


□I want to meet you.
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「やぁ勇くん。」
「………。」

ドアを開けたら、変人が居ました。
キャスター付きの椅子に後ろ向きに座って、きらきらとした笑顔で。

「あ、来たあ?」

げんなりとした顔をしていれば、その後ろからこれまたキャスター付きの椅子に座ったクライシスが姿を現す。

「あれ、取りに来た。」
「勇くん?俺のこと無視?おーい。」
「薬だろ?出来てるよお。」
「え、お前もスルー?ねー、クーリスちゃーん。」
「いくら?」
「お兄さん泣いちゃうよー?勇くーん?」
「十万だねぇ…。これ作るの大変だったんだよお?キシシ。」
「ん。」
「…確かに。」
「なぁ、いちいち持って来んのめんどいんだけど。」
「僕は振り込むとか嫌なんだよねぇ。それよりさぁ、どうなんだい?」

クライシスは急に嫌味たらしく笑うと、金に向けていた顔を上げた。

「何が。」
「例の子♪」
「…別にな「何!?お前彼女出来たの!?kwsk!つかリア充爆ぜろ!!」…。」

あー、うっせ。

急に勢いを増した刹那は、俺の耳元で騒ぎ始める。

「ごっめーん、キシシ♪」

一方に目を向ければ、視線を逸らして至極楽しそうに笑うクライシス。

こいつ、ぜってー態とだ。

「おい勇!どうなんだよ!!」
「ボクも聞きたいなあ。紹介してよー。」

もうやだ、舞に会いたい…。



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