日常U


□Todey is my birthday.
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ぱちっと、瞬き。視界に広がるのは、質素な部屋に不釣り合いな飾りや、きらびやかとは言えないが豪勢な料理。そして、それを取り囲む人々。
破裂音と共に、紙吹雪がこちらに飛んで来る。それから、目の前にろうそくが立ったケーキを差し出されたから、その火を吹き消した。ささやかに掛けられる祝いの言葉。取り合いになる料理。取り分けられたケーキ。おおよそ、子どもにあげるものとは思えない贈り物。

ふと影が差し、視線を感じて顔を上げれば、その人の顔を見る前に頭に大きな手が置かれた。





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ぱちりと、瞬き。視界は薄暗い。腕の中にいる存在で、さっきのは夢だったのだと理解した。昔の夢を見たからと言って、虚無感などは特に感じない。寝起きの頭で思うことは、取り敢えず寒い。彼女が欲しい。
布団と彼女が心地良くて動こうとしない腕を持ち上げて、彼女の頬を撫ぜる。次いで、閉じられた瞼、鼻筋、髪、唇と、彼女の寝顔を飽きることなく眺めた。

どのくらい時間が経ったか、ようやく腕を下ろし、元々近かった距離を更に縮める。
そして、はたと気が付いた。そう言えば、彼女は知らなかったな。
表情を動かす気力もないから、心の中でほくそ笑む。
今はもう一眠りして、朝が来たら彼女に言おう。
今日は、あいつ等に拾われた日。俺の、誕生日なのだと。















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勇さん誕生日おめとー(´ω` )゙

ごめんよ、ものすごく遅れたよ(笑)

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