イナズマ

□アイロニ
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朝、俺は起きていつもどおりに朝食を食べ、いつもどおりに登校する。

ヒロ兄こと吉良ヒロトは毎朝笑顔で俺を送り出してくれている。
朝練があるため、俺は起きるのが早い。つまり家を出るのも早い。
瞳子さんは朝食づくりで忙しいし、リュウ兄こと緑川リュウジは朝から色々と書類をまとめている。晴兄こと南雲晴矢と風兄こと凉野風介はマイペースなため起きているはずがない。

「…行ってきます」

「行ってらっしゃい^^」

今日もだ。学校へ行く時後ろを振り向けば、必ずと言っていいほどヒロ兄がいる。

「…ん」

俺は少し無愛想に返事をし、家を出る。

「…少し、疲れたな」

何に関しても無気力な俺はこう呟いた。

「…少し休みたいな」

そんなに長いこと生きてはいないけど、少し休みたい。

俺は雷門サッカー部の人達はいい人達だと思う。 だけど完全に信じきってはいない訳で。

部活も最近さぼり気味になっている。

こんなに早く出ているのは、ヒロ兄に心配をかけないためだ。
ヒロ兄は過保護すぎる。

でもまぁ、ヒロ兄に連絡される前にちょくちょく顔を出せば問題ないだろう。

出来るものなら時間を止めてほしい。
少し休ませてほしい。
…けど、時間は平等で残酷に刻一刻と過ぎていく。
そしてじきに明日がやってくる。

何度休みたいと思った事だろう。
俺は学校につくとすぐに屋上に行く。
人気が少なく俺にとってはいい場所だ。

俺をこんな気持ちから抜け出させてほしい、と思う気持ちと構わないでほしい、と思う気持ちがごちゃ混ぜになる。



HRが始まる5分前。
とりあえず俺は心配がかからないように教室へは行く。

入ると部活は既に終わっていて天馬君が寄ってくる。

「狩屋!おはよう!今日も来なかったね…どうしたの?」


「おはよう^^少し気分が悪かったんだ。」

「えぇ!?大丈夫!?学校来なかった方が良かったんじゃ…」

「これくらい大丈夫だよ^^」

「本t(信「天馬ー!昨日新しい雑誌買ったんだ!見て!」…おおおおお!!」

上手くいって俺を助けてくれるかも。
そんな願いはあっさりと消え、天馬君は信助君の方へ行った。
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