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□感冒疑い
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僕は木の幹に手を着いた。

「どうしよう」

ズボンのつなぎ目に山ができる。呼吸が荒くなって、心臓がバクバクして、身体が熱くなる。確かな不快感とそれを解き放ちたいという欲がグルグルして、僕の利き手はいうことを聞かない。



またおちんちんが風邪を引いてしまった。



そう、これは初めてじゃない。初めてこうなったのは十三歳の時だったし、擦ってたら白いのが噴き出してきて苦しいのはみんな無くなってしまった。原因は何だがわからなかったけど、すっきりしたし、ちょっと気持ち良かったことだけは覚えている。

「う、あ」

いつもみたいにそこに触れる。まずはズボンの上。それからパンツの上。足りなくなったら今度は中に入れてみる。

「んっ」

すごく熱くなっていてびっくりする。きっと熱があるんだ。風邪を引いてる。薬はないのかな。でも擦れば治るから手は引っ込めない。親指で先っぽをグリグリしながら、あとの四本と掌でコシコシって擦る。でも、そうするともっと熱くなる。でも、もっと擦りたくなる。

「ん、やあっ、あ」

だから、僕はやめない。それに僕は知っているんだ。ずっとこうしていると、またあの白いのが出てきて、僕の苦しいのをみんな飛ばしてくれるんだって。


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