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□おとなのすゝめ
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「レオリオが下でこう足とか自分で抱えてさ」



鳩が豆鉄砲を食らった時はきっとこんな顔をしているに違いない。
この銀髪小坊主は美味しい美味しい洋食屋のナポリタンをものの見事に無味無臭にしてみせた。昼間っからこんなお下劣な話をしているのもいただけない。

「なんだって?」

「だから、レオリオとすんならって話」

「俺が入れられる方か?」

「あったり前だろ、俺のが強いんだからさ」

まあ道理はわかった。確かに、俺は念ってやつが不可解でならない。キルアのように頭もキレないし、おまけにテクなしだ。何度姉ちゃんのケツを追ってぶっ飛ばされたかわからない。だけどなんだ、俺は十九でキルアは十二。人生経験も多ければ体格差もある。言わば人生の先輩。というかもう皆までいうな。

「き」

三秒、いやコンマ一秒俺たちを見たらすぐに察しがつくはずだ。どこをどう考えても、ひん曲がっても間違えても、俺が入れる方に決まっている。でなきゃ。

「気色悪。見るに耐えんぞ」

吐き気がしやがる。

「普通だろ。男同士なんてどっちに転んでも気色悪いじゃん」

「そりゃそうだが」

うん。うん、まあな、端から見たらそれこそ吐き気がするだろうよ。いかんせんそれはちょっと早合点過ぎやしないか。
平常時しかお目にかかっちゃいないが、キルアはその、はっきり言って餓鬼のチビマラ。お粗末である。まず俺をあんあん言わせて楽しいのだろうか。教育上よろしくない。視覚的に毒すぎる。健全なティーンエイジャーとして早急に事を済ましたい気持ちはわかる、わかるぞ。しかし急いては事を仕損じるって知ってるか。何事も忍耐と熟考が必要よ。

「キルア」

とりあえず反論の余地はある。半奴隷のようでも曲がりなりにも恋人だ。ここで言わなきゃ男が廃る。

「あれなんだっけ、あの、あそこが全部丸見えなやつ」

「おいキルア」

「あっ、そう、ちんぐり。あれならいけるぜ」

「キル」

「ちょっと体勢きついけど我慢な」

「お前」

「そうと決まれば善は急げだ」

「いい加減に」

「ゴンたちと合流すんのが明日だろ」

「話聞けって」

「自慢するなら今夜しかない」


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