「自ら腰を押し付けるなんて」 「んあっ、は」 「淫乱な質なのだな」 なんの躊躇もなく下着に潜り込んでくる指に踊らされて、顔を左右に反らせてもまだ赦されない。クラピカはむしろ積極的に、俺のものを撫で付けては睾丸をしゃぶってくる。 「んんっ、や、あっ」 「まだ毛も生え揃わないのか」 「やっだ」 「よく見せろ」 「見る、な、ッアア」 冷酷に見えて、悪戯になついているようにも感じられる。うっすらと生えた陰毛をわさわさとじゃれるように擽って、また性器を口内に放り込んだら、今度はそのまま、いいのか?と上目遣い。え、なにかわいこぶってんの。ありえない。つーかハズい。 「はっ、あ、やめ」 「やめようか」 「あんっ、だ、あっ、だめ」 「ん?」 「や、めん、な」 「わかった」 すぐにクラピカが唇と舌で器用にそれを吸い上げる。それも容赦なく。俺は半開きになった唇から、浅い呼吸と共に気色の悪い声を漏らすことしかできない。 「あ、うあっ、も、俺っ」 すぐに俺は絶頂を迎えてしまい、クラピカは口ほどにもない奴、と大きく顔に書いた。見せつけるように喉を鳴らして、左手の甲で口角を拭う。要は下品な言い回しを好まないので早漏と言わないだけのこと。見下した態度は羞恥を植え付けるのに何ら遜色ない。 「うんっ、あ、どこ、触って」 ふっ、と笑った声が聴覚から蔑んできて、なに好き放題やってくれてんだ、今度は俺が、と強引にクラピカを引き寄せて、一本一本丁寧に歯列を舐めあげた。そう調子に乗らせて、自由な右手を臀部へやるのがクラピカである。全く油断も隙もない。 「力を抜け」 しかしどこかやっぱり優しくて、こう、なんというか、幼児に排尿を促す子煩悩パパみたいな感じ。例えが悪かった。 「無理、っあ、こんなの」 「仕方ないな」 「いっ、ひぁ」 何かが塗り込まれている。非常に冷たい、滑り気を帯びた液体。いや液体ではない。もっと固体に近いような、そうだ、ゲル状。程なくして甘ったるい香りが鼻腔に到着。これには覚えがあった。 「随分よくなっただろう」 「んあっ、ああっ」 「旨そうに食ってる」 白桃エキス入りの保湿ジェル。 街で礼に戴いただとか、白桃の実と皮の間にあるなんとかって成分が科学的にも保湿に効果的だとか、よく熟れた桃のような肌をして必死に訴えるクラピカをよく愛でていた。わざわざスキンケアショップで熱心にも店員に詰め寄ってた件だとか、そういう類いの子供騙しには果物そのもののエキスというよりは香り付けに一滴無関係な香料を入れることが多い件だとかは、面白いから何もツッコまない。時折気分が乗れば、いい匂い、と擦り寄って行って邪険に扱われたのみである。 「ひっ、ああっ、ん」 「ここか?」 「ん、ん、そこ、あっ」 「声、我慢するな」 「い、やぁ」 |