「もっとはしたない顔して」 ヂートゥがどんな表情をしていたかまでは見えませんでした。ベルゼブブで観察するのは容易でしたが、酒池肉林とは言えヂートゥは師団長クラス、ピトーもそこまでは望まないと判断したのです。間もなくヂートゥは精を吐き出しました。ピトーもヂートゥの顔面に射精しています。 「は、はぁ…っは」 「可愛いよ、ヂートゥ」 ピトーのそれは未だ熱を帯びていて、それにヂートゥが愛おしげに頬ずりをするのが窺えました。ピトーはヂートゥの耳を撫で、目線を合わせてから頬だの、鼻頭だの、額、瞼、そして口唇に自らの舌を這わせました。ヂートゥが夢現に舌を差し出すものですから、ピトーはそれに執心して、暫くは深い深い接吻が行われます。 「はあっ、あ、ん、ピトー殿っ」 「んふっ、ちゅ、ちゅく」 ピトーはその間も、絶えずヂートゥの身体を弄り、耳から顎、首筋、鎖骨から胸、脇腹を辿って背後に回ったようでした。 「あんんぅ、あっ、やあっ」 「嫌なの?」 「ちがっ…恐れながら、そのっ…ピトー殿は爪が鋭くていらっしゃるから」 「感じる?」 「ひきゃうっ」 「でも鋭利なのは爪だけじゃないニャ」 「あがぁっ」 ピトーの犬歯がヂートゥの喉に食い込みました。本気でなくとも肉食動物のそれは凄まじい。滴る青。ピトーはそれを一舐め、そばに強く吸い付いて痕をも刻みます。同時に臀部が跳ね上がる。ピトーが肛門を嬲っている証でした。 「はっ、うぐ…中で、爪がぁっ」 「擦れるね、うん、そうなるようにやってるから」 「あ…ああっ、ピトー、殿ぉ」 「お尻からも血が出てる。それなのに前はもう硬いニャ」 「はっ、はあ、っくあ…んぅっ」 「こっちにも爪をたてようか」 私はピトーに凌辱されたかったわけではない。可愛らしい彼を存分に甘やかして、愛を囁き合って眠れればそれでよかった。強いて言うなら私がピトーを抱きたかったし、一師団長クラスなんかを贔屓にする彼を見たくはなかったのです。ヂートゥは完全に私の理想から逸脱していました。私のピトーを貶めて計画を破綻させようと言うなら迷わず殺していたでしょう。しかし現実とは非情です。私は勃起しておりました。それだけのこと。 「んっ、はあ、ピトー、殿っ、ピトー殿お願いです」 「僕もそう思ってたところだニャ。そこにうつ伏せになって、交尾の格好」 拘束していた荒縄を爪で解かれるなり、ヂートゥはベッドに寝転がりました。大の字でうつ伏せ、顔の下で枕を抱いてはピトーに上目を遣います。私が気付かぬうち施されていたのでしょうキスマーク、血液、縄目がまっさらな背中に散らばって綺麗だ。ピトーが髪にキスを落とし、ヂートゥに何か耳打ちしました。ヂートゥのオーラが形を変えこちらに向かってきます。何を言ったのか察しがつきました。けれども、私は退かなかった。オーラが到達して尚、ズボンの前を寛げ張り詰めた性器を外気に晒しました。 「ヂートゥ、ふっ、今日は特に締まるねえ」 「あっ、ふぁああ、は、だめ、やっん、ピトー殿ぉっ」 「この辺りの、筋肉が実にいいよ」 |