「はっ、うう……」 「プフにしてもらうっていうなら話は別だけど」 「そんなことっ」 「じゃあして見せて」 「あ、んぅっ、恥ずかし」 「出来るね?」 「はいぃ……」 壁に預けていた背を剥がして体勢を覆す。ピトーが胡坐をかいた上、両足首の揃ったあたりにつき出した中指を更にぴんと張ってみせた。今までにほぼ似通った体位で男根を受け入れたことはままある。それでも他人の、しかも直属護衛軍であらせられるピトー殿の指を勝手できるという選民意識は並みでない。 よく研がれた鋭利な爪先を越え、とりわけふっくらとした指が内壁に擦れるだけでもう嬌声は抑えらられなかった。 「あっ!アアッ!あ、はあっ!」 「可愛いよヂートゥ。僕の指一本で君はこんなにもいやらしい」 「ふぁっ、や、っん!痛い!」 「ふふっ、物凄い力だニャ。痛いのが気持ちよくて僕の手を握り締めているの?激しくし過ぎて中の出血が漏れてきてるよ」 「んぅっ!きもちい!あンッ、そこ、ぴりぴりするぅ!」 彼の上で腰を浮かせながら、差し出された手首を両手で浅ましく上下に揺する。中の指は決して協力的とは言えないが、それは自分の適当なコントロールと、他ならぬピトー殿のお手を拝借している状況にむしろ燃え上がった。 「ほんと、こんな姿とてもプフには見せられないニャ」 「…んあアッ!?」 すると何の前触れもなく、埋まった指が腹側に反り曲がった。余りにピンポイントで、一点目掛け抉られる感覚に四肢が強張り、その延長で手首を持ち上げていた両腕が無防備だった性器を扱き上げる。 「ひっ、あアッ!んぅ、っはん!」 「腰が逃げてるよ。ほら、ここでしょ?ほら、ほらあ」 「いん゙んぅっ!らめっ、も、指、増やしちゃ、だめれすぅ!」 「わかったから逃げニャい。僕から退いたらもっとひどいお仕置きだよ」 「はあう、んっ!やあ、お仕置き、っあ、きもちいっ!」 「もう煽んニャいでよぉ…」 大きな猫目から怒気は一切消え失せている。彼の手はいつしか指どころか手首ごと俺の中に埋まって四方を暴れ回っていた。俺の手は須らく二つの陰茎を合わせ扱いていたし、傍らにネコ目ネコ科二種の尻尾がくんずほぐれつ絡み合っている。 「ピトー、殿ぉ…んっ」 「はっ、あ、ヂートゥ、愛してるよ」 「ちゅっ、むちゅ、ああ、勿体無きお言葉…」 抱き合って触れるだけのキスを繰り返しながら、その合間にピトーは珍しく戯言を囁いた。とうとう左手が腰を抱く。しかも早々に艶めいたムードは終止符を打たれ、直腸ではピトーの右手が花開き、俺は自らの鈴口にきつく爪を立て、舌を噛み千切らんばかりバイオレンスな口づけで高まった射精感を堪える間もなく果て腐った。 「ん、はあっ、僕の可愛いヂートゥ…誰にもあげニャい…」 そう言って臀部から引き抜いた血だらけの指をさも旨そうに、愛おしそうに舐め啜る彼の表情から愛の深さを知る。可愛らしいお方。また妬いて頂きたいと思うまでに、俺はまんざら、打算のみでピトー殿のお傍に控えてなどいなかった。 end. |