銀の過去

□真選組と見廻組
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土「近藤さん

総悟の奴どこで寝てっかしてっか?」





真選組副長



土方十四郎がいつものように沖田を探していた


いつもなら駄菓子屋の椅子に堂々と寝転がり居眠りを決めているが今日は駄菓子屋や沖田が行くような場所を回って見たがいなかったのだ



そんな中沖田が1番の信頼、親同然に接する近藤ならば何か知っていると思い部屋を訪ねたのだ



近「総悟の奴か?今日は朝から見ていないが…」



んーと顎に手を当て今日の記憶を探っているのは

呼ばれた名前の通り


真選組局長



近藤勲だ





近「まぁ、総悟のこったッ!

何処ぞでまたチャイナ娘とやりあってるんじゃねぇか?」



そう言いながらガハハと笑って答える近藤


だが、内心こんな近藤に呆れている土方だった


土(たくッ…総悟の奴何処にいんだ…ちょっくら万事屋にでも行ってみっか)

けれど、万事屋に行く事に気が引ける

それは、銀時の存在が問題にある
何かと何処ぞで会えばいつも言い合いが始まり無駄な労力を使ってしまうからだ



内心溜息をはきつつも近藤の部屋を出ようとしたが近藤によりそれは止められた




近「なんだ?トシ?総悟がそんなに心配か?」

土「いつもの事だろ…」


ニヤニヤと口に手を当て土方を笑う近藤に否定したがったが出来なかった

いきなり心配か?と聞かれても既に沖田探しは自分のいつもの日課になってしまい身体が動いてしまうのだ






土「ちっ、違ぇよ‼ただ、俺は…」





だが、土方は必死に否定しようとしたがやはり言葉が思いつかない


一瞬近藤の顔が緩んだ






近「早く行けットシ‼夕飯までにはちゃんと帰って来るんだぞ!」





そして、そんな土方を見て近藤は何を思ったのか沖田探しを急かした





土「あぁっ…」

ガラッと襖が音をたてた
そして近藤は土方の足音が部屋からだんだん遠くなっていくのを聞いていた


だが、閉められた扉を開ける





近(素直じゃねぇなぁ…お前等は…)






そして土方の背中を見て近藤は嬉しそうに見送った








土方が万事屋へと向かう道を歩き数分たった時だ










黒い自分と同じ隊服を着ている青年がこちらに向かいながら歩いて来ている





紛れもなくそれは沖田だ



土(たくッ、こいつは…)


だんだんと土方と沖田の距離が縮まる

やっと向こうも俺に気づいたのか片手をあげて叫んできた






総「何でィ、トッシーじゃないですかィおーい‼トッシー‼」



夕方といえ歌舞伎町は夜が1番賑わう時間だ



その中で俺の第二と呼ばれる恥ずかしいあだ名を大声で言ってみせる






それを聞いた人々は皆一瞬俺を見て再び歩き出して行く







土「テメェ…」



加えていたタバコを地面に落とし足ですり潰す






総「おーい‼皆見てくれィあいつ警察のくせにタバコポイ捨てしてますぜィ!」




そんな土方を見てドS発言で悪の笑みで言い放つ







土「おいっ!今までお前何処で何をしてやがった‼」



沖田の発言を無視して今日何をしていたかに問い詰める




沖「よ…じゃねぇや




やだなぁ…
土方さん俺ァ今日一日真面目に江戸の皆さんが平和に過ごせるよう見回りをしてましたぜぇ?」

さすがに万事屋にいた

なんて言ってしまったら、桂を見逃した事がばれてしまう
あいつらとした約束ってやつもだ




そんな事で沖田は顔を崩す事もなくいつもの様に嘘を言ってみせた





だが、いつもながら嘘をつく時もさすがというほどのポーカーフェース
それに土方は一瞬違和感があったがそれを仕方なく信じる事にし…





土「んな話しがあるか‼何がポーカーフェースだッ!顔に出なくてもお前が見回りという仕事をするわけねぇだろッ、勝手に話し進めんなッ!ナレーション!」



沖田は誰に叫んでいるのかと、呆れ冷たい目で土方を見ている

だが、これは凄く面倒事だ

今の土方には沖田の事を毛ほどと信じない事が分かったからだ


沖(土方の野郎、どんだけ俺を信じてないんですかィ…)


それは、分かっていた事だが沖田はため息をつく
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