柘榴
□江戸という街
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季節は初夏
段々と一日が長くなっている時期
今はまだ明朝
場所は10年前、攘夷戦争で亡くなった者(攘夷浪士)達の墓
所々に刀が刺さっている
その無数の刀の中に
一本
まだ薄暗い闇を紅く照らす刀
刀が突き刺さっている土は、膨らみここもまた誰かが眠っている
だが、朝日が闇をも飲みこんだと同時に盛り上がった土は段々と大きくなりヒビが割れ、中からは人が1人現れた
それと、同時に刀が放っている不気味な紅は収まり銀に光り朝日を反射させる
女は突き刺さっていた刀を手に取り、落ちていた鞘に刀身を収め、腰にさした
その女はここが何処が分からないため、場所を移動した
そして大きな街へと足を踏み入れた
そこには、見た事のない風景が広がっていた
?「ここは…」
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場所は変わりここは真選組屯所
土「起きろッ‼総悟ッ!」
大きな声が屯所に響き、それをものともしない態度でふてぶてしく眠り続ける青年
総「なんですかィ、土方さん
俺昨日からずっと土方さんが壊したもんとかの報告書を書いてて寝たのついさっきなんでさァ」
その言葉を聞いた時、土方の何かが切れた
土「何言ってやがるッ‼壊したのはお前だろッ‼
そんで、その報告書を徹夜して書いたのも俺だろうが‼
場所を考えず何処でも砲弾打ちまくってるのお前が原因だろッ‼」
総「あれれぃ?そうでしたっけ?すいやせぇん、可笑しいなァ、記憶がねぇや」
沖田は黒い笑みをこぼし土方を見た
土「テ、テメェ…」
まだ、土方に向けて沖田は笑みを浮かべている
土「もぅいぃ…、とっとと着替えて巡回に行けよ」
反省の色もない沖田に土方は諦め部屋を後にした
だが、一度目が覚めてしまった沖田は中々眠る事が出来ず、仕方なく巡回に行くことにした
総「あっちぃー、まだ六月の終わりなのに何でこんなに暑いんでしょうねィ」
あまりの暑さに沖田は口にアイスを咥えていた
身体中からは汗が染み出てきている
その中で必死に重々しい足を動かしていた
(巡回なんてサボればよかったでさァ…俺もぉ駄目か…も)
沖田はその場で倒れ込んだ
目は朦朧とし、意識が段々と遠のいていく
けれど、この暑さの中外を出歩く者はいない
?「だ…じょ…………ぶで……か…」
だが、朦朧とする意識の中で女の声を聞いたが俺はすぐに意識を手放した