Snow and Rain

□ファミリー
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「山本が無事着地してるぞ!!」


「山本を追って飛び降りた子も無事だ」


普通にはありえないことが起こったため屋上にいた人々はドッキリだったと認識したようでみんな早々と屋上を後にした

その頃ツナの助けによって無事着地した山本と愛は何が起こったのかわからないようにあたりを見渡していた


「今のは…って愛!!お前怪我はないか!?」


慌てて愛の心配をした山本

そんな彼の頬に愛の平手打ちが見事に入った

その反動で山本は地面に座り込んでしまった


「馬鹿!!怪我は治っても死んだら元には戻らない!!」


さっきも屋上で聞いた怒り声

でもそれは微かに震えていて

愛は泣いていた


「愛……」


「私の声が届かなくて、飛び降りちゃって

私…悲しかった

また…大切な人がいなくなってしまう、1人になってしまう

そう思ったら………」


その先の言葉がでないままうつむいた愛

そんな彼女を山本は包帯を巻いていない方の手で引き寄せた


「ちょっ…武!?」


「ごめんな…愛…」


慌てて離れようとしたが山本の力が強かったのと腕から伝わる震えで抵抗するのをやめた


「俺…怖かったんだ

もう二度と野球ができないっておもったら…

俺にはほんとにこれしかなかったから」


「ほんと馬鹿…野球以外にだって武はたくさんもってるじゃない」


愛はしゃがんで山本と同じ目線にして彼を見つめた


「貴方が…生きててよかった」


愛を抱きしめた腕に答えるように強く山本を抱きしめ返した
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