Snow and Rain
□ファミリー
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ツナは愛が教室を出てからしばらくその場で立ち尽くしていた
愛に言われた言葉が鋭い針のようなものになって胸にささる
せっかく仲良くなってくれた友を裏切るのか
…そんなの…絶対に嫌だ
山本の笑顔をまた見たい
愛の笑顔をもっと見たい
「このままじゃだめだ!」
ツナが走り出したその時、窓の外で地面に真っ直ぐ落ちる2人の姿があった
その後のことは正直あまり覚えていなくて、リボーンに死ぬ気弾を打たれて死ぬ気になっていた
そして今、地面とこんにちはした状態で意識を取り戻したわけなのだ
あたりを見回すと落ち着いてきた様子の山本と愛がいてツナは慌てて二人のもとへ走った
「山本ー愛ー!!」
「ツナ…」
「山本ごめんね…俺…無責任なこと言っちゃって…山本に怪我させちゃった
それに愛も危険な目にあわせちゃった…」
顔をくしゃくしゃにしながら泣くツナを見て山本と愛はクスッと笑った
「!?!?」
「ツナ、おいで」
山本と愛は大きく腕を広げた
表情はもちろん笑って
「〜〜〜!!」
なんともいえない気持ちになってツナは2人に飛び込んだ
「生きててくれてありがとう…」
ツナは2人に何度もありがとうと言った
「こっちこそ、助けてくれてありがとう」
「あの光は……」
そんな3人の姿を屋上からみつめる人影が1つつぶやいた