異世界旅行者エジプトへ行く

□6章 ザ・スペースルーラー
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ジャン・ピエール・ポルナレフとの闘いが終わって、承太郎が肉の芽とやらを引っこ抜いた後、ポルナレフも一緒に旅をすることになった。



どうやら妹を殺した両腕とも右腕の男を探しているらしい。


妹を殺した奴を自分のスタンドで死をもって罪を償わせると誓った。
そして1年前、DIOに出会い、妹を殺したスタンド使いを探すのを手伝おうと言われ、その時に肉の芽を植えつけられてさらにジョースター一行を殺せと命令されたらしい。


DIOって奴は人の心の隙間に入り込むのが上手い。



そこまではすごくまじめな奴だと思ったのだが(でも、話し上手でおもしろい人ってのは出会ったときから思ってた。)、女の子たちを見た時流石フランス人ってとこが現れていた。

元は陽気な奴らしい。
で、ちょこちょこ話している内になんか絡み易かったのもあってすげぇ仲良くなった。


そうしたら「名前で呼んでいいぜ」と許可をもらったのでジャン、と名前呼びすることにした。




でもって、今はチャーターした貸し切りの船に乗っている。シンガポールまで3日は海上だってさ。




「桐斗、おれの気がおかしかった時を思い出させるかも知れなくて悪いんだけどよ、」


『うん?』


「お前、アブドゥルの口ぶりからしてすげぇ強そうだと思ったんだが、どんなスタンド持ってんだ?」



あー、そういえば言ってたな・・・「アブドゥルを始末した後手合わせ願おう」とか言われた。


・・・・手合わせ願おうだって。ぶふっ・・・笑える・・・・。



『っく・・・・ふははっ・・・!』


「あ?なんだよ急に笑いやがって。」


『だ・・・だって・・・「手合わせ願おう」だぜ?今のジャンから到底想像できないセリフ・・・はははっ!』


「なんだよ!忘れろ!!それは黒歴史だ!」



思い出したら笑いが止まらなくなって大笑いしていると、ジャンが真っ赤になって忘れろ!と叫びまくった。


顔を両手で覆ってそっぽを向いたジャンに、やっと笑いがおさまった俺は声を掛ける。



『あー・・・笑った・・・!
悪かったよジャン、俺のスタンド見せるからこっち向けよ。』



「ったく・・・」



『そんな睨むなよー。』



俺はスタンドを出して、ジャンの手を取る。

そういえばアブドゥルさんとの闘いで負った傷とか火傷とか治してないもんな。


あ、安心してよ?ちゃんとアブドゥルさんの傷は治した。すごく心配されたけどね。



「おわっ・・・ガイコツ・・・・。
ってかなんで急に手?」


『俺のスタンドの能力見せるため。』




もう何回目だ・・・4回目?軽傷だからこっちもそんな辛くない。


左腕の包帯に少し血が滲んだくらいで掌の熱が引いた。



「・・・もしかして、他人の傷を治す能力か?」



「怪我したとこ痛くなくなったぜ!」と笑うジャンに俺も笑い返す。



『うーん、そんな感じだけどちょっと違うかな。』



血の滲んだ包帯を見せるとはっとしたように目を見開いた。



「代わりに自分が傷つくのか!?」



『その通り。今にも怒りそうだから言うけど、俺のスタンドは弱い。このメンバーの中で一番な。
敵をスタンドで攻撃するくらいなら、俺自身が殴った方がダメージを与えられるくらいスタンドのパワーは弱いんだ。
だから、みんなの傷を治すのが俺の主な役目。心配は無用。』



「・・・分かった。お前がそう思ってんならおれは何も言わねえ。
ありがとな、桐斗。」



『おう!それでいいんだ。』



なー、こーちゃん!とスタンドに話しかける。


そういや、そろそろ名前考えてあげないとなぁ・・・・みんなかっこいい名前持ってるもんな。



「ちょ、今何て言った?」



『こーちゃんの事か?』



「こーちゃんってもしかして・・・」



『俺のスタンドの愛称。』



「ぶふぅっ!!ちょっ・・・はははははははっ!!!やっ・・・それはっ、ギャハハハハハ!!!!」



そういうと今度はジャンが急に腹を抱えて笑い始めた。さらに座りこんで込んでバンバンと床をたたく。


そ・・・そんな笑うとこあった?こーちゃん?こーちゃんに笑ったのか?
お前のツボがわかんねぇよ・・・・。



でも笑いすぎて咳き込んでいるジャンを見てたらちょっといじめたくなったので、俺もしゃがみ込んで脇腹をくすぐってやった。


ほら、笑え笑え!



「ちょっ!!ははははっ!!やめっ、やめろぉっ!ゲホッ!!桐斗ッ!ヒヒヒヒヒヒッ!!」



『おうおう笑えー!楽しいなぁ、ジャン!』



「なっ!ワハハハハハハっ!!ひぃっ!!ゴホッ、ガハッ!!たのっ、ふははッ!しくねっ!!やめっ!」



『えー。その割には超笑ってるじゃあねーか?』



「ひふッ!!こ、のっドS!ひはははははッ!!やっ、ほんと、ゲホッ!!やめろよぉっ!」



ドSって俺のどこがドSだと言うんだろう。
絶対典明の方がSだぜおい。


笑いすぎて涙目になりながらやめろ、と訴えるジャンがあまりにも性的で俺の方がやばくなりそうだったのでくすぐりをやめてやる。



『あー、楽しかった!』



「はーっ・・・はー・・・ゲホッ・・・・ぜんっぜん楽しく、ねー・・・!」



『ジャン、その顔超えろい。』



「誰のせいだ!誰の!!」



いやー、ジャンといるとおバカな俺が言動に出てくるなぁ。
他の人の前だとクールでいられるんだけどなー。






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