異世界旅行者エジプトへ行く
□6章 ザ・スペースルーラー
3ページ/3ページ
『ジョセフさん、アヴドゥルさん。』
船内の部屋で何やら話している2人に声を掛ける。
「おお、桐斗。どうかしたか?」
『俺のスタンドの名前、みんなに考えてもらったんです。お2人にも紹介しておこうかと。』
スタンドを出して2人の前へ移動させる。
ジョセフさんがやっと決まったか、と呆れた笑みを浮かべた。
そっか、俺もっと前からジョセフさんと知り合いって設定だっけ。
『はい。−ザ・スペース−です。』
「うむ、シンプルでいいじゃあないか。」
「・・・?桐斗、君の能力は治癒では?何故スペース≠ネのだ?」
あ、アヴドゥルさんは知らないんだ。俺のもう一つの能力。
て言うかさっき若者組に教えたばかりだし、空間の能力はジョセフさんしか知らないんだ。
『アブドゥルさんにはまだ言ってなかったですね。
俺の治癒の能力は第二の能力です。元からの能力は空間を操るもの。新しい空間を作ったり、切り取ったり埋め込んだり出来ます。』
だけど、空間を消すことは出来ない。例外で、俺自身が作り出した空間なら消せるようだ。
こんな風に、と後ろの空間を切り取って前に埋め込む。俺と2人の間の距離が瞬時に広くなって、アブドゥルさんが目を見開いた。
「・・・・!これは驚いた・・・。」
『ありがとうございます。
この能力は俺を中心として、半径5キロ以内なら発動可能と便利なのですが、そのおかげでスタンドの攻撃力は凄まじく低いんです。』
歩いて2人の側に戻りながらそう説明する。
「・・・しかし桐斗、スタンドの名前を考えるならわしらも一緒に考えたかったぞ。なあ、アブドゥル。」
「それもそうですね。私たちのスタンドの名前はタロットが決めてくれる。
考えられるものなら考えてみたいものだ。」
へぇー、そうなんだ・・・。
・・・なんか悪いことした気がしてならないよ・・・・。え、別に俺は悪いことしていないよな?大丈夫。
にしてもさすが大人。落ち着きがあって一緒にいると落ち着く。
『今の名前でも満足しているんです。
・・・・・・でも、俺もみんなで考えた名前のスタンドがいい。−ザ・スペース−はそのままに、お2人でもう少し何かアレンジを加えていただけませんか?』
そう言って笑うと、2人は少し驚いてから嬉しそうに笑顔を浮かべた。
おお・・・・・なんか可愛い・・・。和む・・・。
・・・・・・・・って今俺何を思った?可愛い?どうした俺、可愛い基準があやふやになって来たぞおい。
「まかせておけ!
そうじゃな・・・空間、空間・・・・」
「治癒、の方も入れてみてもいいかもしれないが・・・・単語を考えると空間の能力の方でまとめた方がよさそうだ。」
「なるほど・・・。
空間・・・つかさどる・・・・」
あ・・・・あの、そんな真面目に考え込まなくてもいいんじゃあ・・・・。
「「・・・・・・支配者・・・。」」
「そうだ!それだ!!」
「支配者は英語にしてruler=v
どうやらしっくりきたらしい。うんうんと頷いている2人に声を掛ける。
『いい案が出ましたか?』
「ああ。支配者、という意味をつけたして、−ザ・スペースルーラー−でどうだろうか?」
『空間の支配者、・・・・いいじゃあないですか!』
今度こそやっと決まったなぁ、こーちゃん。
「気にいってもらえただろうか?」
『もちろんです!お2人とも、ありがとうございました。』
と、言うことで俺のスタンドの正式名称はザ・スペースルーラーで決まりだ。
・・・・あ、でも普段はこーちゃんって呼ばせてね。なんかこーちゃんで慣れちゃったからさ!
end