異世界旅行者エジプトへ行く

□7章 ダークブルームーン
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なんとか承太郎と女の子を海から引き上げた。



「この女の子、ま、まさか・・・・。」



「今のスタンド≠フ使い手か・・・・・?」



「・・・・・まさか、サメの海にわざと承太郎を誘い込んだか・・・?」




・・・・・・ないない。それはない。絶対ない。神に誓おう。この子はスタンド使いじゃあない。


え、何故わかるかって?



・・・・・・勘だよ、そんなん。




「な・・・・なんだッー!てめーら!
寄ってたかって睨みつけやがって・・・
何が何だか分からねーが、や・・・やる気かァ!?」



『・・・・大丈夫、俺たちは君を傷つけるつもりはないよ。』





ピシッ、と小さなナイフを取り出した女の子に近寄って、腰のポシェットに入っていたタオルを取り出し、濡れた髪を拭いてやる。




一瞬、びくりと震えたが抵抗しなかった女の子に安心してそのまま髪を拭いてやった。




「おい桐斗、何故そう言い切れるんだ。」



『そんなの勘だぜ、承太郎。』



承太郎にそう言って女の子を見ると、じっと俺の顔を見つめていたからにこりと笑っておいた。



顔をそらされた。泣きそう。



そのとき急に女の子が俺から遠のいた。



視線を上にあげるとまたガチムチなおっちゃんが女の子を締めあげている。


なっ・・・・こいつ・・・・何をしてるだァーッ!!←



「・・・キャプテン・・・・」



「わたしは・・・密航者には厳しいタチだ・・・
女の子とはいえ、なめられると限度なく密航者がやってくる・・・。
港に着くまで下の船室に軟禁させてもらうよ。」



・・・・・・・仕方、ねぇのか。密航者だもんな、一応・・・。




「キャプテン・・・お聞きしたいのですが、船員10名の身元は確かなものでしょうな」



「間違いありませんよ。全員が10年以上この船に乗っているベテランばかりです。
どうしてそんな神経質にこだわるのか分かりませんけれども・・・・・・

ところで!」



キャプテンが承太郎が銜えていたタバコを取り上げた。




「看板での喫煙はご遠慮願おう・・・
君はこの灰や吸い殻をどうするつもりだったんだね?この美しい海に捨てるつもりだったのか?
君はお客だがこの船のルールには従ってもらうよ、未成年君。」



すると承太郎の帽子についているボタンのようなものにたばこの火を擦りつけた。




『・・・おい、キャプテン。』



やっぱ我慢できねぇや。まだ小さな女の子を軟禁だなんて許せない。

それに承太郎の帽子にこいつはッ・・・・。


「なんだね。」



『その女の子、返してもらえない?
俺が見とく。安心してくれ、密航者が出ただなんて周りに知れ渡らないようにするさ。』



「・・・・ああ、そうだな。ガキはそいつから離した方がいい。
そいつは船長じゃあねぇ。今分かった!
スタンド使いはこいつだ。」




「・・・なっ・・・」





「「「なにィーッ!?」」」




マジかよ・・・承太郎すごい。


とりあえず俺は女の子と俺の間の空間を切り取って、船長と女の子の間に埋め込む。


女の子は瞬間移動のように俺の目の前に素早く移動する。

倒れそうになった女の子を抱きとめて髪を撫でてやった。





「スタ・・・ンド?なんだねそれは・・・一体・・・。」




「まあ、落ち着け。おれはスタンド使いの見分け方を発見した。
それは・・・・スタンド使いはタバコの煙を少しでも吸うとだな・・・

鼻の頭に血管が浮き出る。」



「「「えっ!」」」



まさか・・・!嘘だろおい。嫌だよそんな見分け方があるの!


もっと珍しめなものがよかった!タバコの煙なんて何処かしこで吸うからバレバレじゃあないか!!



「うそだろ承太郎!」



「・・・ああ、嘘だぜ!
だが・・・マヌケは見つかったようだな。」




鼻の頭に手を当てたテニール船長の顔が一瞬にして青ざめた。






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