タイトルは未定なりけり。
□転校生です。
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春。高校一年生に私はなった。
私の夢は立派なプロデューサーになること。
理由は簡単。
アイドルのライブに行って心を打たれた。
だからと言って、アイドルに近づきたいからではない。
色んな人と作り上げるステージを作りたいと、支えたいと思ったからだ。
今日は歯が変な風に生えてきてしまったので、それを取る手術をしたお兄ちゃんのお見舞いにお母さんと病院へ来ていた。
「お兄ちゃん大丈夫?」
「・・・んー、大丈夫・・・。」
大丈夫。そう言っているが兄の顔はよろしくないぞ。
痛みを堪えているように見える。
「私、ちょっと病院探検してくる。」
「人に迷惑かけちゃダメよ。」
「はーい。」
お母さんにそう言われ、私は病院を探検しに行った。
✳✳✳✳
病室にいても詰まらないので、適当に座れる場所に来てみたんだが。
おじいちゃんおばあちゃんばかり。
休憩室と書かれた部屋に入ってテレビがあったので座ってみたが、本当にお年寄りばかりだった。
『今日は何と!今人気急上昇中の女性アイドル―――』
「・・・・・わぁ!」
可愛い!あぁ!美少女アイドルだ!
私は自分のリュックからアイドル雑誌を出してテレビを観ながら過ごしていた。
うん、やっぱりこの子はこうゆう衣装似合うよなぁ。
セトリ(✳セットリスト)はこんな順番で、それから―――。
「ねぇ。」
「はい?」
私が自分の妄想に浸っていると、知らぬ間に隣の席に男の子が座っていた。
「アイドルに興味があるの?」
「え?・・・まぁ、アイドルは好き、だけど。」
「僕もアイドル好きなんだ。」
「あ、でも、アイドルは好きだけど、どちらかと言うとプロデュースみたいな、この子ならこんな感じがいいよなぁー。みたいなのを考えるのが好きかな。」
「・・・・・。」
金髪の男の人は、へぇっとする。
「え、何か変かな?」
私がそう言うと、ニッコリして。
「ううん、いいと思うよ。君、アイドルをプロデュースしてみたくない?」
「・・・え?」
この人、いったい何を言ってるの??(白目)
彼は私の反応を見て優しく笑った。
「夢ノ咲学院には君みたいな子が必要だ。是非来て欲しい。」
✳✳✳✳
彼のその言葉がずっと頭に残っていた。
そして、私はその学院について調べた。
普通科、アイドル科、プロデュース科。
この学院から何人ものアイドルが出ていること。
・・・・・・プロデュース科。
『夢ノ咲学院には君みたいな子が必要だ。』
そう。
この出会いが私の運命を変えたのだ。