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□bEAty spOtO
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 わたしは美人と呼ばれる類のものらしい。そのせいか男は数え切れないほど寄ってくる。

きっと、今夜も。

「なあ、可愛いお嬢さん」

ほら、やっぱり。

わたしは一人で飲みたいのに。

「ごめんなさい、今夜は静かに飲みたいの」

そっと傾けると、グラスの底に沈むグレナデン・シロップが顔を出す。

わたしと同じ、緋色。
血の、色。

「一人で飲むなんて寂しいこと言わずにさ」

わたしの特等席は店に入ってすぐのカウンターの左奥。

一番端。

絡まれずに済むし、大体はマスターかバーテンが話しかけてくれる。

でも、何故だか今日は混んでいるみたい。
向こうが騒がしいから、ビリヤードでもしてるのかしら。

「一緒に飲もうぜ」

この男の目的ははっきりしてる。
わたしと寝ること。

「…悪いけど、人を待ってるの」

「じゃあ、その子も一緒でいいからさ」

口振りからして、わたしが女と飲みに来ると思ってるみたい。

でも、違う。

飲む相手なんていない。正確には、誘わない。

わたしなんか目じゃないぐらい美人で、流され易いから。

「しつこい男は嫌いよ」

「怒った顔も可愛いな」

埒があかない。ここまでしつこいのは久し振りに見る。

マスターが来るまでの辛抱だわ。
でも、どうしたら…。
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