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□ハイビスカス(宗凛)
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「おい!宗介!早くしろよ!」

201号室の扉の前で凛が準備万端の状態で立っていた。

「おいおい、そう急かすなって凛…」

今日は地元岩美町で、花火大会が開催されるそうだ。それを、ずっと楽しみにしていたのか凛はいつもより上機嫌で慌ただしい。

ただ…、俺の中には1つ問題が…。

何故なら、俺はずっと二人でのデートだと今日まで思っていたからだ。それが今日は、似鳥と桃太郎と一緒だと凛にさっき言われたばかり。

桃太郎が『俺も連れてってくださいよ!』としつこいから仕方なく承諾したそうだが…、俺の気持ちはどうなんだと思ったが、凛の嬉しそうな顔を見たら攻められやしない。

「なぁ凛…、お前そんな格好で行くのか?」

「ん?ああ、何か変か?」

凛からしたら普通の黒のTシャツに七部丈のズボンを履いて足首にちょっとしたワンポイントにアクセを付けている。
至って普通の男の子のスタイルで何ら変な所はないはず。

「いや、変ではないが…」

宗介は凛のベッドから立ち上がり、凛の方へと近寄って来た。

「浴衣着てくれたら、もっと可愛かったのにな…」

とそっと耳元で囁いた。宗介は凛の表情を見て満足そうに微笑んだ。

「!!!////ばっ、馬鹿野郎!!!////
耳元で変な事言うんじゃねぇ!何回言ったらわかるんだよ!///」

凛の顔は案の定、真っ赤に染めて宗介をバシバシと叩いた。

「おい!凛、やめろ!痛いって!」

「おっ、俺はぜってぇ着ねぇからな!!////」

凛は宗介に指を指し言い放った。

「何でだ?他の奴の時には着れて俺の前では着れないのか?」

「当たり前だ!お前の場合帯を直ぐに外すから嫌だ!////直すの大変なんだからな!!」

「ぷっ…ははは!そんな理由で!ははは!」

凛は益々赤くなり必死に訴える姿が本当に可愛かった。

「宗介!笑い事じゃねぇ!////」

「わりぃ、わりぃ。はは!」

宗介はよっぽどツボに入ったのかまだ笑っていた。
そして、凛の方へ更により体格の大きい宗介はいとも簡単に凛を包み込んでしまった。

「そっ宗介////?」

「凛、服着てたって同じだがな」

「はっ?、!!!」

最初はなんの事かわからなかったが、何かモゾモゾ動いているなと思ったら、既に宗介が凛の衣服の下に手を入れお腹、脇腹、胸へと徐々に上がってきたのだ。

「ちょっ////宗介何してんだよ!離せ!」

「こんな服着ても、俺なら直ぐに脱がせられるって事だ」

「…っ!」



「凛せんぱーーい!」

凛と宗介は即座に離れ、何もなかったように宗介は準備を再開した。

「あれ?凛先輩顔赤くないっすか?どうかしたんすか?」

「うっ///うるせぇ!!赤くなってねぇ!」

「でも、まっかっかですよ!そして、今日も良い谷間っすねw」

凛は桃太郎の首に腕を回しごり押しで部屋を出た。
最後に見た凛の顔は今だに紅く染まり、俺の方をチラリと見ては更に紅く染めた。

「いでででで!凛ぜんばい、ぐっぐびが!」

「いいから!さっさとついて来い!」


照れ屋で素直じゃなくて…

愛おしくて狂おしくて…

宗介はフッと笑みをこぼし部屋を後にした。



















END

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