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□第1幕
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[(は? …お姉さん?)」


花礫がちら、と後ろへ視線をむける。


案の定、少年は不服そうに旡を見つめている。



「……俺はヒスイ」


溜め息を1つ吐いて短くそう答えたヒスイが、一瞬で酷く焦った顔に変わる。


「やばい!花礫!」

『ギギ…』


嫌な音を立てて開いた扉の向こうには、屋敷の主のミネと、捕まった仲間。


「ぅわ!?」


思わず後ずさった花礫の前に仕事仲間が、人間の女性には到底思えない腕力で放り投げられる。


「動けるか!?何があった?」


駆け寄る花礫に少年は「アイツ…ばけもの…」と震えながらこぼす。


「なあに?鬼ごっこするの?」


みるみるうちにその姿を変えていくミネの腕は、何mにもなり異形と化していく。


「来い!!」


走り出した4人の後を、ゆっくりとした足取りでミネが追いかけてくる。


『バン』
「わ!?」


逃げた先の部屋にいたもう1人の仲間のそばかすが、慌てたように4人を見る。


「なんだよ、どした?こっち来る予定じゃ…」

「久しぶりのディナーは…どの肉(だれ)にしようかしら」


追いついたミネが、腕を変形させ襲ってくる。


「よ…避け「伏せろ」


ふわ、と花礫の前の空気が動くと同時に翡翠色の髪が視界に映る。


『シャッ――――――!」

「!!?」


ぽた、と赤い滴が静まり返った部屋の床を濡らす。





 
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