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□第1幕
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「へぇ、アンタみたいなのでも血、赤いんだ」
冷え切った目をして、銀色に光るナイフに付いた鮮血を振り落すヒスイ。
「…いいわ、そんなに殺されたいのなら坊やから!」
襲ってくる腕を無駄のない動きでかわすヒスイの目の端に不意に”何か”が映る。
「!!」
「危ねぇ!」
一瞬、動揺したヒスイの手を花礫が引き、鼻先スレスレのところをミネの爪がかすめた。
「バカ!お前何して…」
「うあああああああ!?」
そばかすの悲鳴とともに、不快な音と血の匂いが部屋に広がる。
「あ、た 助けろ…」
その言葉に我に返り、銃を構えた花礫の足にヒスイの見た”ソレ”がぶつかる。
そこには、涙を流したまま胸を撃ち抜かれた少女が横たわっていた。
「…行くぞ」
文字通り喰われるそばかすを軽蔑の目で見たヒスイが低い声で呟く。
踵を反して走り出したヒスイに、花礫も旡の手を引いて続く。
背後ではそばかすの最期の悲鳴が響き、数秒後、花礫お手製の爆弾が盛大に爆発する音が聞こえた。