kv

□第1幕
6ページ/7ページ





想像以上に軽かった旡は、結局花礫1人がおぶって運び、ヒスイが荷物を持って後を着いていくかたちになった。


『ドサ』

「とりあえず寝かせとくか」


簡易的なベットに旡を寝かせ、乱雑に布団をかける。


「…ココ、お前の隠れ家?」


持ってきた荷物を置きながら、ヒスイが尋ねる。


「ああ、表にも裏にも顔出しやすいだろ」

「…ああ」


おそらく同じような生活をしているだろうヒスイにそう返すと、旡の元を離れて椅子に座る。


「で?さっき言ってた”アイツは違う”ってどういう意味?」


頬杖をつき、ヒスイを品定めするように見上げる花礫。


「…そのまんま、”輪”ってのが嘘だったんじゃねーの、って話」


しばらく言いよどんでいたヒスイが、言葉を選ぶようにそれだけ言う。


「”輪”の名前の力を借りて好き勝手してたってコトか?」


まぁ有り得ない話じゃねーなと考える花礫に、もういいだろと言いたげにヒスイが溜め息をつく。



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ