長編

□ソングロボ 
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今日は藍ちゃんのドラマ撮影に付き添い、撮影現場へとやってきた

シリアスな内容のためか、ほとんどが雨に打たれるシーンだ
初めてのドラマ撮影、ましてや藍ちゃんはまだ15歳
何か戸惑うかもしれないと思いついてきたがその心配はなかった

藍ちゃんは一度もNGを出すことなく撮影が進んでいく
本当にあの子には驚かされてばかり





「はい、カットー!」

「ありがとうございました」




今日の撮影が終わり、私は藍ちゃんの元へと進み寄る




「お疲れ様。今日は仕事もうないから帰ろうか」

「そうするよ」



2人で歩き出出そうとしたとき
ボトッという何か重いものが落ちる音がし
視線が自然と下に行く
地面には手が落ちていた

隣の藍ちゃんをみると藍ちゃんの右手が行方不明になっていた

手からは細かいケーブルが出ていて
これはただ事じゃないと判断した私は落ちた藍ちゃんの手を持って急いで車に乗った





「えっと……とりあえず、大丈夫なの?」

「大きな問題はないから大丈夫」

「そう………。藍ちゃんはロボットだったの?」

「そうだよ。シャイニングが理想とするアイドルが僕」

「社長ならやりかねないか」





社長が絡んでいるならありえると納得してしまった自分
そんな私に藍は不思議そうな顔をしていた



「驚かないんだね」

「驚いてるわよ。目の前で急に腕が落ちたとこなんて見せられて驚かない方がすごいわ」

「やっぱり亜弓はおもしろいね」





私のどこがどう面白いのかわからないが
藍の口から出る"データ"をよく口にするのはロボットだったからかと
違うことに納得をしていた





「水が弱点なの?」

「防水対策はしてあるけど、あんまり良いとはいえないね」

「了解。だから食事をあんまりしなかったのね」

「無駄な電力を消費するからね」




藍がロボットなのは驚いたが、藍のいろいろな事が知れて嬉しいのもまた事実
自分のことを話したがらなかったのは自分がロボットなのを知られないため
いろんなことに疑問を投げかけるのは情報収集のため


いろんな疑問が解けていく





「なに笑ってるの」

「べっつにー」







芸能界


まだまだ知らないことがいっぱいあるようだ








(このこと誰かに言ったりしたら、日本にいれないと思ってね)

(は………はい。了解しました。)







 


 

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