長編

□不思議な出会い
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「やっぱり日向龍也でしょ!」

「そりゃーかっこいいけど、私はやっぱり林檎ちゃんかなぁ〜。男でこの可愛さは反則!!」

「執事キャラのカミュじゃない?あの凛とした表情で"お嬢様・・・"って言われたぁ〜い」

「え〜それなら寿嶺二がいいよ!やっぱり笑いを取ってくれる方が楽しいじゃん!!」









学校の昼休み

皆がワイワイと楽しくご飯を食べたり
雑談で盛り上がる時間











「ねー!亜弓は誰派?」

「ガツガツガツガツガツガツ。え?何が?」

「犬みたいな奴ね」









お弁当の時間は大事にしなければ








「だから!アイドルで誰が好みかって話!!」

「えー、私テレビとか雑誌とか見ないからわかんないよ。興味もないし」

「もー、それでも年頃の女子高生なの?」








そんなこと言われても
興味ないものは興味がないのだ


昔からそういった類のものには興味がなかった



興味を持たさせないようにされたと
言った方がいいのかもしれないが










「美風藍は?顔は出てないけどキレイ過ぎないあの声!!」

「歌声なら美風藍みたいなキレイな声じゃなくって蘭丸みたいにカッコイイ方がいい!!」







まったくわからない

誰だ美風藍と蘭丸って







「あっ私蘭丸のCD持ってるから今度持ってきてあげる!」

「えっいいよ。興味ないって」

「一回でいいから!ね?騙されたと思って!!」

「・・・そこまで言うなら」

「よーし!じゃあ帰りにファミレスにでも寄って語ってあげる!!」

「あぁ、ごめん。バイトがあるから」

「あ、そうだったね」

「よく働くよ」










此処のメンバーはみんな
私がバイトで忙しいのを知っているため
無理に遊びに誘ったりはしてこない


今思えばいい友達を持ったとシミジミ思う







「ホント、いい友達もったな」

「え?今更気づいたの??」

「あっ、撤回で」

「ひどい!!!」




















「アイドルか・・・」







あの歌って踊る人気者って人たちのことだよね

もちろん存在は知っている
だがグループや名前、顔までは覚えていない



昔から、生活が一番だったため
そういうものに興味を持てなかった

テレビだって、ニュースや天気予報を見る程度だし










「ん?」








そんなことを考えていた時、前を見ると電柱に何か大きなものが・・・


ゴミ・・・にしては変な形だし
何だろう



少し怖いと思いながらも好奇心の方が勝ってしまい
ゆっくりと近づいていく






「えっ、人!?」






電柱にあった大きな物体はなんと人だった

灰色のツンツンとした短髪に
少し怖い格好をしていて
背中には何かを背負っている?


そして力なく電柱にもたれかかって
顔は俯いてしまっている




怖いと思いながらも
このまま放ってはおけない






「あの・・・大丈夫ですか?」

「・・・・・し・・・」

「え?」

「・・めし・・・を・・くれ」






めしって・・・ご飯のことか?
もしかしてお腹が空いて動けなくなっているのか!?


どこかのアンパンを配るアニメの
モブみたいな人が実現するなんて!!



と、そんなことに感動している場合ではない








「えっと、とりあえず私の家が此処から近いのできてください」







私はその男の人の腕を肩にまわし持ち上げる

男の人はよろよろとしながらも
私と一緒に歩き出した










 
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