長編

□え?アイドル?
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林檎さんが言っていた人気モデルさんは私の兄である雪野勇人だったのだ





「なんで亜弓がここにいるんだ!?」

「それはこっちのセリフだよ!」

「亜弓ちゃん、今勇人君のこと兄貴って…」

「はい、この人が私の兄の雪野勇人です」

「確かに似てるわね」





なんで兄貴がこの業界にいるんだ?
いや、いてもおかしくはないが私が聞いていたのは雑誌記者だ

落ち着こう、落ち着け私






「とりあえず説明してもらいましょうか」





























「雑誌記者なのは嘘なの!?」

「すまん!」

「別に問題はないんだけど…なんで内緒にする必要があったの」

「俺が雑誌とかに載ってたら亜弓その雑誌買うだろ?」

「まあ、買うだろうね」

「その雑誌に俺だけが載ってるならいいぞ?でもそんなのありえないだろ??亜弓のことだからなんとなく全ページを見ていく。そこでお前がビビッときた男がいてそいつのファンにでもなったりしたらって考えると内緒にしておくのがベストだと」







このバカ兄貴わ

勝手な深読みをしすぎてる…呆れて言葉も出ないよ





「勇人君ってすごいシスコンだったのね」

「妹にシスコンって言われるくらいですから」

「それで、なんでお前はここにいるの!!?」




きた、面倒くさいターン





「えっとね。シャイニング事務所の社長さんが私の就職場所を提供してくれたの」

「高校はどうしたんだ!」

「私にもよくわからないけど、とりあえず卒業は出来たよ」

「だからってなんでこの業界なんだよぉ…」



そういって兄貴は床に膝を付いてしまった
これは、蘭丸のこと当分言えそうにないな

というか、絶対無理だ。言えない。







「いいじゃない、兄貴に迷惑かけてるわけじゃないんだから」

「俺を心配させてるからだめなんだよ!!引越しとかしてないだろうな!?」

「引越しはしてないよ、通えない距離ではないし、お給料も結構いいから定期代も心配ないし」

「それなら・・・まあいいか」





何がまあいいかなんだ
兄貴がうるさくないから私もいいけど







「もぉ〜勇人君!亜弓ちゃんに依存しすぎよ!!」

「月宮さん・・・これは妹への愛です」

「愛が重すぎるわよ〜」

「兄貴、林檎さんが男性なのしってるの?」

「知ってるぞ?先輩だからな」




あれ?
なのに私が林檎さんの近くにいても何も言わない





「林檎さんは大丈夫なの?」

「だってほとんど男捨てたような人だろ?それなら心配ないだろうと」

「ちょっと!酷くなーい?」

「褒めてるんですよ」




とりあえず一安心したわたし
けれどこの後のことを予想しわすれていた私は
後々後悔することとなってしまうのだ
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