長編

□誕生日でしたけど?
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4人とお喋りをしていると、用事を終えた林檎さんと
どこかで合流したであろう龍也さんがこっちに歩いてきた
美男美女のカップルにしか見えないのは私だけだろうか…。



「あら?みんな揃ってるじゃなーい!」

「林檎が雪野がここに来てるっていうもんだから心配してたが、楽しそうじゃねーか」

「ちょっと!それはどういう意味!!」

「そのまんまだ。どうせお前が無理やり連れて来たんだろ」




さすが龍也さん、林檎さんとの付き合いが長いだけある

2人の言い合いを眺めながら手に持っていたシャンパンを飲む
するとそれをみた嶺二が慌てて私に突っかかる




「亜弓ちゃん!未成年はお酒飲んじゃダメだよ!!」

「一応、今日から成人だから大丈夫」




私の言葉に皆がいっせいにこちらに視線を集める
何か変なこと言っただろうか




「今日からって…今日お誕生日なの!?」

「はい、一応。」

「なんで言ってくれないのー!!」

「別に教えるほどのものでもないでしょ」

「そこは教えてよー!!!」





今日から20になりました!なんて、言うキャラでもないし
それに、いちいち言ったところで何になるんだ
そんなことを考えていると蘭丸が私をジッと睨むように見ていた




「なに?」

「………いや」



そういうだけで、蘭丸は私の隣でお皿に盛られた大量の料理を食べ出した




「なんか、欲しいもんとか兄貴にねだんねーのか」

「あの人にねだるなんてしたら大変なことになるよ。それに、今一番欲しいものは平和だから」

「そりゃ、無理だな」

「でしょ?だから別にいいの。誕生日だって毎年兄貴が祝ってくれるし、寂しいとかもないの」

「………そうかよ」




少し言うと、なぜか蘭丸には祝って欲しかったと思ったのは秘密にしておく





 
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