長編

□早乙女学園?
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「はぁ〜いったいどうすれば……」

「何をそんなに悩んでいるの?」

「え?!」




突然の問いかけに少女は驚き
首は大丈夫だろうかと心配になるほどの勢いで顔をこちらに向けた



「あ、ごめんなさい急に話しかけて。私は雪野亜弓って言うの校舎から随分悩んでるように見えたから気になっちゃって」

「わっ私は七海春歌といいます!まさか見られていたなんて恥ずかしいです」



真っ赤に顔を染める姿がとても愛らしい
守りたくなる存在とはこの子のようなことを言うのだろう



「春歌ちゃんでいいかな?私のことも亜弓でいいから!それで、何をそんなに悩んでいるの?」

「はい!えっと…実は卒業オーディションのパートナーに6人からお誘いを受けてしまって」

「へぇー春歌ちゃんはモテモテなんだね。それで、誰か1人は選べないと」

「………はい。」




きっとこの子は優しすぎる性格なんだな
だからここまで悩んでここまで相手の事を考えられる人間なんだ


「なんで選べないの?」

「なんで……みなさんそれぞれが素敵な歌を持っていて、すべてがとても素敵で」



みんな違ってみんな良い
そう、それぞれが他人とは違う魅力を持っている
それは本心だろう、だけど春歌ちゃんはみんなを傷つけたくないという思いの方が強いのだろう
優しい子



「春歌ちゃんは優しいしすごい」

「え?」

「私は音楽の事とか全然わからない。でも、春歌ちゃんにはその6人の音楽を感じることができる。それに、みんなを想うからこそだれか1人選べない」

「そんなことは」

「でも、その6人は春歌ちゃんに誰かと争うことになっても春歌ちゃんとペアになりたいからパートナーを申し込んだ。春歌ちゃんが思うことをすればみんなわかってくれるよ」 

「…亜弓さん。ありがとうございます!」



私にお礼を行って走って行った春歌ちゃんはスッキリとした顔をしていた
余計なことをベラベラと話してしまったが大丈夫だろうか



「私もあんな青春したかったなー」





 
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