長編

□これは何?
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「うちのマネージャーになんかようか」



声の主は私の担当アイドル黒崎蘭丸だった




「初めてお会いしますので挨拶をと」

「うちのマネージャーに余計なこと話してるように見えたが?」

「そんな滅相もない。それでは雪野さん失礼します」




レイジング事務所の男性は蘭丸から逃げるように去っていった
もしかして私、レイジング事務所に勧誘された?




「蘭丸はなんでここに?」

「お前が中々帰ってこねーから探してたんだろうが」

「あぁーごめんなさい。挨拶してたらそんなに時間が過ぎてたのね」





パシッ




「え?」




突然、蘭丸は私の腕を掴んだ
顔をみれば眉間にこれでもかと言うくらい皺を寄せて私を見ている




「なっなによ」

「またマネージャー辞めるなんて言うんじゃねえだろうな」

「なんでそうなるのよ。まだQUARTET★NIGHTのマネージャーははじめたばかりじゃない」

「…………ならいい」




納得したようで蘭丸は私の腕から手を離した
蘭丸が掴んでいた部分がおかしい
妙に熱を帯びていて、彼の手の感触が離れない



「どうした」

「え?…あぁ、なんでもない。それより、挨拶の時ぐらいアイドルらしく愛想ふりまけば?」




今までなかった胸の中の物に戸惑ったが、一時の事だろうと流し
いつものように蘭丸に話しかける







これはいったいなんなの?







 
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