長編

□夏休みは休みじゃない
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誘拐未遂事件のあと、私は何もなかったかのように毎日を過ごしていた

少し夜道は怖くなってしまったが、生活には何の問題もないので今までどうり学校終わりにはバイトをしている



そして、事件のことをしってるのは蘭丸だけだ
店長や兄貴に話すといろいろと面倒に決まっている




そんなこともあって、大変な日常が過ぎて行くと学生の楽しみが待ったいる


それは……






「やっと夏休みだー」





そう、夏休み
学校に来なくていいサイコーの夏休み

みんなはプールがどうのとか花火がどうのかはしゃぎまくっている
私はというと、無論夏休みもバイトをいっぱいいっぱいするつもりなので
そういった、夏休みの遊びには興味がわかなかった





「行ってくればいいのに」

「いいんです!そんなことよりバイトしてる方が楽しいので!」

「あんたの将来が楽しみのような不安のような」

「いいんですよ。それに……」

「?」

「蘭丸がいつくるかわからないし」





そう、私は友達と遊ぶよりバイトで働いている方がいい
蘭丸がご飯を食べに来てくれるのを待ってる方がいい




「仕事帰りの母親を待つ子供みたいだね」

「子供じゃないです!!!」




そんな言い合いをしているとお店の扉がカランコロンとドアベルが鳴った
いらっしゃいませ!と、言い店長と一緒にドアを見るとそこにはサングラスをした大男ご立っていた

でっ……でかい




「oh!いい雰囲気のお店でーすねー」

「あっ、ありがとうございます。ご注文は何に致しましょうか?」

「この店で一番オススメのをおねがいシマース!」

「は、はい」




注文を店長に伝えにカウンターに戻る




「何だろうね。あのお客さん」

「迫力がありますね」

「ちょっとどころかだいぶ怪しいわね。珈琲だしたら直ぐに戻っといで」



珈琲が出来上がり、大男の所へと運ぶ

店長の言うとうり出して直ぐに戻ろう。





「お待たせしました。この店オススメの珈琲でございます」

「サンキューサンキュー!ところであなたがMs.雪野亜弓でーすカー?」

「え?あっ、はい。そうですが」




なんでこの人私の名前しってるの?
この人には絶対に会ったことないのに、会っていたら必ず覚えてるとおもう

どもりながらも自分がその名前の本人だと返事をする

もしかして私、裏社会か何かのブラックリスに乗ってたりするのかな?





「oh〜!Mr.黒崎がいつもお世話になってマース!」

「え?蘭丸の知り合い何ですか?」




蘭丸を名前を出されて更にビックリする
蘭丸はいったい何に手を出したのか




「申し遅れマーシタ!ミーはシャイニング事務所の社長をしていマース。シャイニング早乙女デース、!」





え?






「シャイニングって。蘭丸が所属してるアイドル事務所の?」

「イエース!」





ええええええ?




「社長さんがワザワザこんな所に足を運ぶなんて…やっぱり私が蘭丸と関わっているからですか?」

「ノンノン!アナタはMr.黒崎を助けてくれました。そのお礼を言い来ただけデース!ありがとうございマース!」

「あ、そうなんですか?ワザワザありがとうございます」




そうか、事務所のアイドルが一般人に助けてもらったからか。社長さんって言うの大変だな

今の話でこの人物が誰だかわかったし、蘭丸との関係者な悪い人ではないだろう
怖いけど、デカいけど、社長さんだったけど




「何話してたの?」

「あ、えっと…蘭丸が所属している事務所の社長さんでした」

「社長!?あのいかにも怪しいのが!!?」




店長、声が大きいです

確かにビックリもするだろう
怪しいの人物が来たと思えばアイドル事務所の社長





「まぁ、悪い人ではないですよきっと」

「それはミーのことでーすかー?」

「「わぁ!!」」





店長と2人だけで話していたはずなのに、自分たち以外の声が唐突に聞こえ
私と店長は大声で驚いてしまった

振り返ると会話に登場していた社長さんが立っていた




「ビ、ビックリした。」

「ソーリソーリ!」




ハッハッハ!と高笑いをする社長に私達は苦笑いを返した

あの距離で、会話が聞き取れたのだろうか?




「Ms.雪野に1つ良い提案がありマース!!」

「いっ良い提案…ですか?」

「イエス!イエス!ユーもそろそろ進路を考えなければ行けない時期だと思ういマース。そこで!特別にミーの事務所で働くアイドル達の仕事場見学にご招待しマース!!」




仕事場見学?

私みたいな一般人は決して入ることが許されない禁断の場所
アイドルに興味のあるファンが聞けば失神してしまいそうなほどの話だろう






「遠慮させて頂きます」






お断りだ

そもそも、私はアイドルの黒崎蘭丸と知り合いというだけであって
「アイドルを見たい!」や「アイドル大好き!!」と言うわけではないのだ






「アイドルが好きなわけではないので」

「ムムム〜アイドルが好きでではないと言われてはミーも黙ってはいられましぇーん!!!」





あ、私アイドル事務所の社長を前にしてとてつもなく失礼なことを言ってしまった

謝罪をしようとすると社長さんは私を突然持ち上げた



ん?もちあげた・・・?







「ちょ!ちょっと!!」

「Ms.雪野を少し借りマーッス!!」






店長にそう言葉を投げつけて、私とともにお店をでた社長さん










「おろしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」













 
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