長編
□これは何?
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4人がグループを組むことが瞬く間に広まり
イケメンアイドル達がグループを組むとなると今時の女子達はほっとかない
「ねーねー聞いたぁ?あの4人がグループ組むって!!」
「あー!知ってるよ!!もーたまらないよね!?」
「歌もかっこいいよねーソロでも良かったけど4人の歌声けっこう良い感じだよねー!!」
「………」
道行く女子高生達の会話に担当マネージャーとして誇らしくなる
インタビューの仕事が殺到していて嬉しい限りだ
嬉しいのだが……
忙しすぎてここ最近、蘭丸が家に食事をしにくることがなくなった
蘭丸が家にこなくなって2ヶ月が立つ
こんなにも家に来なかったことはなかった
ただでさえ人気アイドルがさらに人気を増せば他人の家に出向いている暇なんてないだろう
でも、やはり寂しさは隠せない
「ふぅー………」
「どうした亜弓?疲れてるのか?お兄ちゃんが肩でも揉んでやろうか??」
「大丈夫、ありがとうね」
代わりといっては悪いが兄貴が頻繁に家にくるようになった
「どうせ黒崎のことだろ?シャイニング事務所のマネージャーなんかやめてこっちの事務所にくればいいのに」
「……なんでわかるの?」
何にため息をついたか言ってもいないのにズバリと当てる
不思議に思い問いかければ兄貴は困った顔をしながら微笑んだ
「だいたいはわかる。何年お前の兄貴をしてきたと思ってる」
「人気なのは嬉しいんだけどね………マネージャーがアイドルを独り占めにするなんてもってのほかだもの」
「……そりゃ、ずっといた奴が離れて寂しいのは当たり前だ。俺もお前と離れて暮らすと決まったときは寂しいかった」
なんだか、いつもの兄貴と違う
いつもなら「男なんかのためにそんなにヘコむことなんかない!!」ぐらい言いそうなのに
「あっ、勿論今も離れているときは寂しくて倒れそうだがな」
「真顔で言わないでよ、怖い」
「いいじゃないか!明日も公式発表会があるんだろ?黒崎とは会えるじゃないか!!」
発表会で会えると言っても
なにか違うというか…………