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□one
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「そんなこと言わなくたって…」


とたん泣きそうになる
名前 の手を掴み、
俺の口元へと運んで手の甲にキスを落とし、
さらに続けて言うのはこの言葉…。




「願うなら…この俺様にだろ?」


「へっ…?」



あほ面かまして
目を見開く名前。



「俺といたいなら、真っ直ぐ俺だけ見てろ。
神なんざ頼るな」





そう。

他の誰も間にいれさせるんじゃねぇ。

たとえそれが、神だとしても。





「景吾…」

「お前は俺のもんだろうが」


フッと微笑めば
ギュッとしがみついてきた。



「ほら、言えよ」

そんな名前の背に手を回し
俺もまた抱き締める。





「…ずっと一緒にいて」



その言葉ともに、腕に込める力が強くなった。


そう、離さないとでも言うかのように強く。

だから俺もまた力を込めて




「当たり前だ」

そう返事をした。







お前が望まなくとも



お前が俺を
嫌になる日が来たとしても

俺はお前のそばを離れる気はねぇよ。







「逃がさねぇから覚悟しとけ」





そして

いつの日か大勢の前で誓ってやる。





如何なる時も汝を愛す

死が二人を別つとしても永遠に

…ってな。




Fin*
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