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□one
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お前だけに誓うこの言葉





*one*








「はぁぁ〜」


辛気くさいため息を人の横で吐く
名前。



「そんなに卒業が寂しいのかよ」


横目で見つつ、少し呆れたように言えば、
少しムッとした表情と口調が返ってくる。


「せっかく、周りに景吾の彼女として認めてもらえたのに
また1からだと思うと気が重いんだもん…」





確かにいろいろあった日々だった。

何回辛い思いをさせたのかもわからねぇ。

だがな、そんなのどうにだってなんだよ。



「いいじゃねぇか。
なんならまた全校生徒の前で宣言してやるぜ?」


ニヤリと口角を上げれば
よほど以前のが恥ずかしかったのか必死に首を振ってきた。



「…同じクラスかなぁ…」


再びため息。

空を見上げながらポツリと呟いたその声が
あまりにも心許なくて
いつもの負けん気溢れる名前 じゃなくて
声をかけようとしたその時




「あ!!
流れ星!!」

そう言って、手を合わせて
その場に止まって目を閉じだす。


何をそんなに真剣に祈る必要がある?
そんな疑問をそのまま投げ掛けてみれば

「……景吾とずっと一緒にいられますようにって」


少し寂しげに笑って
再び空を見上げる。







「………ばーか」


「なっ!?」


俺の発言に眉間にシワを寄せる
名前の腕を付かんで
対面するように立たせる。


そして


「神になんざ祈ったって叶いやしねぇよ」


一言、吐き捨てた。
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