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□カレン
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そんなに多くは望まない

私はただ、
貴方の笑顔が見たいだけ…








【カレン】








それは今までずっと頭にあった疑問…。




『滝君は私といて‥本当に楽しい?』


「………」




やっと口に出せたはずなのに、言ってみて とても後悔している自分に気付く。

だって今の滝君、困ったような、驚いたような、とても複雑そうな顔で、見ているこっちが辛い。




『…ごめんね、変な事きいて』


ポツリと一言。


「いや…」


滝君もたった一言。




冷ややかな空気が私達の間を流れる。




私は昔から滝君が好きで、彼のあまり見せない優しさが大好きだった。

だから告白された時は本当に嬉しくて、いつまでも涙が止まってくれなかったっけ…。




『…………』


もう、ダメなのかもしれない…

滝君はずっと黙ったまま。

頭の中は不安でいっぱいだよ…。




「何だか…」


『……へっ?』




突然滝君が言うから、私は驚いて声が裏返ってしまった。


それでも滝君は笑う事もなく…


「何だか名前は難しい顔ばかりしているね」


辛そうな顔で言う。




私はジッと目を見つめてくる滝君から視線を逸らし、気まずい笑みを浮かべた。


見透かされそうで怖い。


溢れだしそうな気持ちは、私の心の中で吐き出される。



私と一緒にいて楽しい?

私と付き合ってよかった?



私の事、好き…?




ずっときいてみたかった

滝君の「好き」っていう確信が欲しかったから…。




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