main

□ぽかぽか
2ページ/2ページ


俺は立ち止まって前を歩く名前を呼んだ。




「お、俺温かいよ?
だ…だからさ……手繋がない?」


振り絞ってみたけど
恥ずかしさがピークで視線が定まらない上、
しどろもどろになってしまった。


しかも握手を求めるかのように手出しちゃって、俺のあほ!!



だけど、名前の表情はみるみる明るくなって


「うん!」

ダッシュでかけよってきたと思えば





「えっ?…っ!!」


抱きつかれてしまった。



「だって全身寒いんだもん。
温めてください」







あぁ

叶わない。

叶うわけがない。





近づけなかった君との距離がこんなに縮まって

俺の心も身体も
君でいっぱい。






「菊ちゃん顔も寒いなー」

「えっ?」

「なんだったら口も寒いなー」


「えぇええ!!!!!!!????」


もちろん
頭の中も君で埋め尽くされてしまうんだ。










fin*
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ