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□heart
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似た者同士じゃな、ほんと








*heart*








「仁王さー、ほんと私のこと好きだよねー」

「いやいや、 名前さんも相当俺のこと好きじゃろうが」



そんなやり取りを何回しただろうか。

事の発端は何気ない一言。


記念日にプレゼントを贈りあおうだなんて、テレビに触発され柄にもないことをどちらからともなく言い

意外にも盛り上がったためその足でお互い品を用意したものの

今さらになって恥ずかしくて渡せないという状況。



よくよく考えれば、キリのいい記念日でもなくて
恥ずかしさが増してしまったという情けなさもプラスされている。



「やっぱり、先にメンズからプレゼント貰いたいなぁー」

「先に女子から貰って、サプライズ感と共に渡したいのが男子じゃからなぁ」


お互い違和感しかない笑顔での押し問答。



「もう!
言い出しっぺの仁王からちょうだいよ!!」


とうとう痺れを切らしたのか、可愛く言っていたのを止めて
名前は手を差し出してきた。


「言い出しっぺは名前じゃなかったかの」


その手の横に俺もまた差し出した手を並べる。



「…変な物買ったんでしょ」


じーっと疑いの眼差しが向けられ

そっちこそと返せば



「ちゃんと買ったし!
買ったからなんかこう、ちょっと照れくさいんじゃん…」


モゴモゴしながら名前は視線を反らす。



…ほんと同じじゃな。

俺も本気で選んでしまったから
なんだか妙に照れくさい。




「なら、いっせーのせで開けるか」


鞄から包装された物を取りだし
名前の方へと差し出し1つの提案を出す。


「…フライングなしね」


しばらくじーっと見つめたまま何かを考えていたようだが
渋々名前 も鞄から取り出した。


そして

「じゃあ…」

と、声を発っせば



「ちょ!
ちょっと待って!」

俺の手を掴む 。


「往生際が悪いのう」


「だって、なんか、だってさ!」


必死に何かを言いたそうにするも
肝心の言葉は出てこないようで


「こっち掴んでたら俺の開けられないんじゃなか?」

俺はお前が掴んでようが開けれるけどなんて意地悪く言えば

「ずるい!!」


パッと手が離れた。






「はいはい。
いっせーのせ!」
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