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□pain
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「あか「好きだ」


先輩の声を遮って伝えた気持ち。



何度も何度も繰り返す。



「あんたが好きだ」


俺のものになってくれるなら
なんだってする。

名前先輩を何より大事にする。

誰よりも強くなって、あんたを守るから




「俺のものになって」



副部長より大切にするから。

あんたがいるなら何もいらないから


だから


「ねぇ…名前先輩。俺を選んで」




そう言って、一際強く抱き締める。





「………私はね、赤也が私をそうやって思ってくれてる以上に弦一郎のことが好きなの」


ゆっくりと口を開いた名前先輩。



予想通りの答えに何も言葉が出てこない俺はただ黙って聞くだけ。



だけど

「だから赤也を選ぶことは出来ない」


この言葉につい声が荒くなる。

「なんで、あの人なんだよ!
あんな堅物より、俺の方があんたを何倍も幸せにしてやるのに!!」




俺の方が何倍も幸せにしてやれる。

何倍も笑わせるのに



「幸せにしてほしいわけじゃないの。
私は彼のそばにいられたらそれだけで幸せなのよ」





あぁ…ダメだ。


何を言っても届かない。



何を言ってもあんたは俺を選んではくれない。


だったらいっそ



傷つけてしまおうか?





「なら、副部長のそばにいれなくしてやるよ」



「赤也!?」





抱き締めていた先輩を机の上に押し倒した。




これで、今度こそ俺を選んでくれるだろ?








「……ごめんね」
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