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□Love
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自分はしてくれないのに
他もダメだって言うの!?
これにはさすがに私もイライラして負けじと怒鳴りめに発言しようとすれば



「危ねぇだろうが!!」


続いたこの言葉にその勢いは失われる。


……危ない?



「あんな荒い奴の運転で怪我したらどうすんだっ!!
だいたいカーブとか間隔わかんなかったら足ぶつかるかもしれねぇだろ!!」


そこからしばらく黙っていれば
出るわ出るわ、危ないポイント情報が。


正直危ないなんてまったく考えてなかった。


つまり薫がさっきからずっと反対してたのってさ、私を思ってたからこそだよね。





「そんなに心配??」

「当たり前だろうが!
お前に何かあったら俺は…!!」



確認するように口を挟んでみれば興奮してるせいか、すんなりと答えをくれた。


残念なことに途中で気づいちゃったみたいで最後までは聞けなかったけど、もうじゅうぶん。




「じゃあ、やめる」

「……当たり前だ」

「薫が手繋いでくれるって言うから」



嬉しいなぁ
なんて明らかに作り声を出して彼を見つめる。



口をパクパクさせながら私を指差すけど



「………チッ」



そっぽを向きつつ差し出してくれた手。


私はすぐさま隣に並んでその手握った。



「素直に心配って言えばいいのに」

「うるせぇ…」













私の彼は口数も少ないし

名前だってほとんど呼んでくれないし

愛情表現なんて数える程度



だけど、ほんとはとっても優しいの。







「…名前」

「何??」

「い、家の前にあるスペースでならしてやる。」

「え?」

「道はニケツ禁止で警察に見つかるかもしれねぇだろ!
…だから、どうしてもって言うなら今日うちによれ」









耳まで真っ赤にして

恋人らしいことが苦手なくせに
とっても嬉しいことを言ってくれちゃう

優しい彼が

私は大好きで





「行く行くー!
背中に抱きつくチャンスだもん」


「なっ!?
……やっぱりナシだ」

「うぇええ!?
男に二言はナシだよ!!」


「ならくっつくな!」

「落ちるかもよ?」



「っ……!
……す、少しだからな!」






こうやって

貴方と関わるほどに

もっともっと
好きになっていくんだ。













*fin*
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