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□カラフル
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いつだって
貴方は私より何歩も先を歩いてる。





*カラフル*







「別にいいぜ」



きっかけはネットで見たから。
もちろん、OKしてもらえるなんて思ってもみなくて、重たくないようにさらっと言えばこの返答。


よって、しどろもどろになるのは私の方。




「い、いいの!?
だってこういうのだよ!」


一枚の写真を画像に映した状態で景吾に見えるように差し出す。

それは学校の各所で、カップルが記念撮影をしているものをコラボした写真。




「俺様としてはもっと際どいやつが好みだがな」


私の顔色をうかがうようにニヤニヤ笑うから、まったく冗談に聞こえない。


でも、すっごく嬉しくて
ありがとうと伝えれば


「名前がねだるなんざ珍しいからな。
最近、卒業関連で忙しくて構ってやれてねぇし」


そんなこと言われてしまえば、胸がときめいてしまうのも自然な流れで




「ったく、にやけすぎだ」

この展開もお決まりで、そう言いながら見せてくれる景吾の優しい微笑みが大好きなの。






そしてやってきたこの日。

樺地君には外してもらってセルフタイマーで撮影することに。

脚立つきカメラを景吾が持ってきてくれたからなんだか恐縮しちゃうけど…。




まずは二人で黒板を消したり、隣同士で座って見えないように手を繋ぐやつに挑戦!



だけど


「……顔赤くなるの早すぎだろうが」

「いいの!
う、後ろから撮るんだし」


すでに恥ずかしいです…。

ちゃんと撮れてないと困るからって何枚も撮るし、気づけばすごく近づいてるからうまく笑えない。





気を取り直して、次は廊下!
と思ったんだけどまだ人が何人かいて
後にしようかと言う前に


「おい、お前。
悪いが何枚か撮ってくれるか?」


景吾は近くの人にカメラを渡し、おもむろに私の手を繋ぐ。


「…見せびらかしてやろうぜ」


耳元でそんなことを言われたら余計赤くなってしまうのに


そのまま耳にキスをされた。





聞こえる女子の悲鳴と煩い心臓の音。

高まる体温に

頭がついていかない。






「名前、ちゃんとカメラ見とけよ?」



カメラ??

言葉を発する前に体が浮いた。






「おぶるより、こっちのほうがいいだろ?
……このまま回転でもしてやろうか」


またも意地の悪い微笑に私の体は強ばる。

おんぶもいいけど、お姫様抱っこはもっといい。


だけどギャラリーがいればそれはまた別!!

てか、私で楽しんでるよね!?




「景吾、い、イメージ!
イメージが壊れるよ!」


「あん?
そんなのは好き勝手言わせとけ。
俺様は俺がしたいことをするだけだ」



あぁ、ダメ。
口で敵うわけない。

そのまま回転され、首にしがみつく私を見てご満悦だったと知るのはまた後日の話。


下ろしてもらえないまま、生徒会室につけば人の目がないのをいいことに
膝の上に乗せられたり、壁どんされたりあわや押し倒されそうになって

どっと疲れたのは言うまでもない。
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