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□愛し君に
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「何それ…私だってキヨのこと好きだもん!
それなのに私がキヨと同じことしたらどう思うの?」


俺と同じこと?


「…無理。
俺、平和主義者なのに相手殴っちゃいそう」

ハハッと乾いた笑いを、彼女の肩に顎をのせて吐き出した。



「なら、キヨもしないで。
私だって、相手の女の子にガン飛ばしそうになるの堪えてるんだからね!」

「…名前、亜久津と仲いいの?」

ガン飛ばすという発言が引っ掛かり
体を離して彼女を見つめれば


本当に嬉しそうに笑って

少しは私の気持ちわかったでしょ

なんて言うもんだから、恥ずかしくてもう一度彼女を抱きしめた。


「あーあ。
もう知らないよ、俺。
せっかく我慢してたのに」

「望むところ。
キヨが私だけを見てくれたら私は幸せだもん。
でも、今までのを許すかはまた別ね」


背中に回された腕が若干震えて拳を握っているような気がするのは気のせいかなぁ……。


「あ。
じゃあさ、償わせてください!」

「どうやって??」



不思議に思う彼女の顎に手を添えて

「こうやって……」



唇を重ねた。



彼女のためだと思ってた。
自分のためにも
これぐらいの距離感でいいんだって
言い聞かせてた。

だけど、それは間違い。


きっと俺の方が、彼女にのめり込むのが怖かったんた。



「…償いなの、これ?」

「ハグよりキスした方がストレスが減るんだって。
だから、名前が許してくれるまで何度でもしようと思って」


「……じゃあ、まだ怒っとこ」

「えっ!?
もー…ほんとに俺を煽ってくれますね、お姫様は。」


「嫌いじゃないくせに」


「もっちろん。
…大好きだよ。」










この幸せが壊れないように

愛しい君が
世界中の誰よりも
幸せになれるように

俺はこれから先もずっと
全力で君を愛し続けるよ。







fin*
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