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□kiss
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この行為にこんなに胸が高鳴るのは
貴方だから





*kiss*




「なーんで、せっかくの休みに勉強しなきゃいけんのかのぅ」


「…ほんと、仰る通りで」



幸村が、部活を頑張ったご褒美に、最終日を休みにしてくれたのに
宿題がわからないところがあって終わらなくて、教えてもらうために今仁王の家にいるのだけれど




「名前とどこデートしようか楽しみにしとったんに」



はぁ、と溜め息を吐かれてしまい心が痛い。



私だって、頑張ったんだよ!
でも、どーしてもわからなかったんだもん〜!



「…貴重な時間、こんなことに費やさせて、ごめんね」



おずおずと仁王の方へ視線を向ければ


「まっ、名前と二人でいれるからよかよ」



大きな手で頭をわしゃわしゃと撫でてくれて、その優しさがくすぐったくて心地いいのに


「髪が乱れるー!」

なんて、照れ隠しに可愛くないこと言っちゃった。
ごめんね、仁王。


「ただ、教えるだけじゃつまらんからの。
お代はいただくぜよ??」




…前言撤回。
やっぱり、優しくなんてありません。




だって、仁王が提示してきたのは基礎は教えるけど問題でつまずいた場合



キスしないと教えてくれないって条件だから。





「ムリムリムリ」

「頬とか額でもありじゃき。
あ、同じ場所は却下な」



そういうことじゃない!

って言いまくったけど、背に腹はかえられないので、結局納得するはめに。



何問か解いたところでわからなくなり
チラッと仁王を見れば


「どうした??」



異常なほど爽やかな笑顔。




わかってるくせに〜〜〜!!!



「…ここ、わかんない」


「ほぉ。…で??
どうするんじゃったっけ??」




なんか、鬼畜な感じが幸村に見えてくるんですけど!?


「……目、つぶってて!!」


「はいはい」



真っ赤な私と、対照的に余裕な仁王。

そんな彼の肩に手を置き、意を決して額にキスをする。



本当に、瞬間的な触れ合いなのに


「名前から、キスされるのもいいもんだな」


満足げな顔をされてしまえば、よけいに恥ずかしくて

早く教えて!!
って急かして、それ以上話題に触れないようにしたんだけど




わからない問題が続いて
額、両頬、両まぶた、鼻にもキスをすることになり


あと一問なのにまたわからない〜!
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