短編
□れいん。
3ページ/7ページ
燕
**
雨降ってるー。
傘あるっけなあ?
…あ!前に置いて帰ったのがある。
よかった、濡れずに済みそう♪
「あれっ?名前ちゃん?」
「あ、燕くん!」
「どうしたのー?もしかして傘忘れちゃったの?」
「…その通り(苦笑)」
「あらら〜」
「大人しく雨止むのまってるよー」
ん〜…でも女の子一人を置いて帰るわけにはいかないなあ…
…あ。
「よかったら一緒に傘入る?」
「えっ…でも狭いでしょ?悪いよ〜」
「いーの!僕が入ってほしいの!」
僕は名前ちゃんの手をとり、ひっぱって傘に入れる。
「ごめんね…?」
「いいってー。行こ?」
「うん…」
僕は名前ちゃんの歩くスピードに合わせてゆっくり歩く。
「ねー名前ちゃん」
「なっなに…?//」
…なんで照れてるんだろ?
「そっち濡れてない〜?大丈夫?」
「うん、大丈夫っ」
そのあと僕達はいろいろ話をしながら帰った。
「前のテストどうだったの?」
「最下位ー(笑)」
「え!?(笑)」
とかε( o・ω・)
「あ、私の家そこだからっ」
「へぇー大きいんだねー!」
「そんなことないよ?…じゃあ」
「うん」
「今日は態々送ってくれてありがとう。」
「いーえ。じゃあ、ばいばい!」
「うんっばいばい。」
俺は名前ちゃんが家に入るのを確認して、
今来た道を帰る。
…やっと距離が一歩近づいた気がするなあ。
*
「燕くん!」
「どうしたの?」
「昨日はありがとうっ。」
「いえいえ。」
「…………あの…昨日、道、ひきかえしたよね…?」
「…見てたんだ」
「なんで態々…?」
「そ、それは…」
*
「あっ、雨…」
憂鬱だなあ。
「あ。」
「あ、燕くん。」
「あのさ、名前ちゃん…」
今ならきっと言える。
「好き」
って。
END_