短編

□おねんね。
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「優くーん…」

「何?」

「眠い…」

今眠がっているのは俺の彼女の名前。

今,俺の家に泊まりに来ている。

いつも十時頃に寝てしまう彼女にとってはやはり,十二時は辛いらしい。

「もう寝るか?」

「ううん…折角久々に優くん家来たからもう…ちょ…と………スー…」

彼女から吐息が漏れる。


名前をお姫様だっこし,ベッドへ運ぶ。

トスッとベッドへ下ろし,布団をかける。

俺はその横に座る。

顔をじっくり見る。

…きれーな顔。

自分になんか勿体無いくらい。

髪を触る。

手入れされてサラサラな綺麗な髪。

頬を触る。

柔らかくてふにふにしている。

そして,口を触る。

…キス、したい。

欲に負け,名前の顔に自分の顔を近づける。


パチッ


寝ていた名前の目が開く。

「「…………………」」

何故このタイミングで起きたんだ。

しかも寝ぼけてくれれば少しは誤魔化せる。が名前は寝起きが無駄に良い。

俺達二人の間に沈黙が流れる。

「…優くん?なにやってるの?」

「ご,ゴミついてたから」

「嘘。…キス,しようとしてたよね?」

「は?してないけど。」

ポーカーフェイスを保つ俺。

「絶対してたでしょ!それじゃないと顎に手置いて顔近づけるなんて有り得ないでしょ…」

「……ごめん」

「…したいなら最初から言ってくれればいいのに。(ボソ)」



「今なんて言った?」

「態々寝てる間にしなくても起きてる間にしてよ…」

ちゅっ

「起きてる間に。笑」

「…もおおおおおお…!」///






(バカ!)

(かーわい。)

(バカバカ!)

(お前よりマシだけど?)

(うぐ…)


END_


⇒あとがき


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