短編

□たまには。
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今、彼女の名前ちゃんが僕の家に遊びに来ている。

僕たちはいつもデートするときは外。

名前ちゃんが、「たまには外じゃなくてお家でデートしたい」とのことで今日は家。

外は人がいっぱいいるからまだまし。

今日なんて家だよ…!?

勿論家に誰かがいるはずもない。

二人っきりだ。

名前ちゃんは天然で、何をしでかすかわからない。

隠してあるえっちな本を見つけてくるかも。

あるいは、僕の理性が…なんてことも。

「ねぇねぇ淳くん。」

「なーに?」

「お腹すいたー」

言われてみればもう7時だ。

そろそろみんな御飯を食べてる時間だよね。

「名前ちゃん、何か食べたいものある?」

「んー…」

名前ちゃんは2分ほど考え込んだ

「淳くんが作るものならなんでもいいっ」

…なんて可愛いんだこの子は。

「じゃあ簡単だけどオムライス作るね。」

材料を冷蔵庫から出し、卵を割り、かき混ぜる。

ふんふふーん♪

と鼻唄を歌いながら作っていると、いつの間にか背後に名前ちゃんが立っていた。

僕は「うわっ!」とだらしない声をあげ、驚いた

「私も手伝う」

「えっでも…名前ちゃん料理…」

そう、名前ちゃんは料理が大の苦手。

前にクッキーを焼いてくれたんだけど、真っ黒でプスプスと音をたてていたくらいだ。

「だ、大丈夫だよ?; 名前ちゃんは座ってて?;」

「やだ。手伝う。手伝うったら手伝う。」

「しょうがないなぁ〜;;」

名前ちゃんは頑固。

一度やるっていったものはとことんやる。

なので、一番簡単なサラダでもつくってもらおう。

サラダなら真っ黒焦げになる心配はないだろうし…。

「じゃあサラダ作ってくれる?レタスとかちぎればいいだけ。」

「うんっ!」

あっ、嬉しそう。


まぁなんやかんやでオムライスとサラダ完成。

「私がケチャップで書くから淳くん座ってて。」

と言われたので、僕は先に椅子に座っている。

何書いてくれるんだろっ。


「淳くんお待たせ。」

コトッと音をたてながら置かれたオムライスを見ると、「だいすき」の文字が。

「名前ちゃんっ…!」

「ん?何?」

「大好きって…!」

「それがどうかした?」

…そうだこの子天然だった。

「淳くん早く食べよ?」

「そうだね」

「「いただきます」」

ぱくっと一口食べると、卵が口のなかにふわっと広がる。

やっぱり、大切な人と食べるご飯は美味しい。

「外も楽しいけど、お家デートもいいね。」

「次はメンバーも呼んで食べよっか。」

「いいね。」

たまにはこういう日も悪くない。



END_

⇒あとがき


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