短編
□みてた。
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※学パロ注意
「んー。」
だるい。
体を机から起こす。
大きい欠伸をして,体を伸ばす。
一息ついて目を開けると,教室には誰もいない。
グランドを見ても誰もいない。
時計を見ると5時を指していた。
「5時なのになんでグランドに誰もいねぇんだ…?」
…あ。
昨日からテスト期間で部活とか休みなんだっけ。
荷物を持って教室を出る。
隣のクラスの前を通ると,髪の長い女が机にうつ伏セになっていた。
…起こしてやるか。
俺って親切だな。
教室に入って女の顔を見る。
睫毛なげえ。
「おい,起きろ。」
「…………」
「おーい」
「…………」
「おぉぉきぃぃろぉぉぉ!」
ゆさゆさと体を揺さぶる。
すると女は眠そうに瞼を開ける。
俺を見て,驚いた顔をした。
「喜矢武…くん?!」
「え,なんで俺の名前。」
「だ,だって喜矢武くんたち目立ってるし…。」
え,俺達って目立ってんの?;
「そうか?」
「そうだよ…?あ,私は苗字名前。」
「名前な。ここで何やってたんだ?」
「勉強してたの。…寝ちゃったけど。あ!」
名前はひらめいた!という顔をして
「よかったら勉強教えようか!喜矢武くんバカでしょ?」
と言う。
ん?
「はぁぁぁん!?」
さっき初めましてしたやつにバカとか普通言う!?
失礼すぎんだろ!
「だってこの前のテストで,172人中168位だったんでしょ?」
「なぜそれを…。」
「だってずっと見てたもん。」
…!?
え,ちょ,今名前なんつった!?
いつも見てたってことは…
「それって…"好き"ってこと…?!」
「うん,そうだよ?」
名前はニコっと笑って荷物を持ち教室を出て行った。
*
「名前!昨日の返事なんだけど…さ」
「うん」
「よかったら,俺と付き合ってください。」
「宜しくお願いします。」
ニコっと笑う名前の顔はとても綺麗だった。
END_
⇒あとがき