短編

□みてた。
1ページ/2ページ


※学パロ注意



「んー。」

だるい。

体を机から起こす。

大きい欠伸をして,体を伸ばす。

一息ついて目を開けると,教室には誰もいない。

グランドを見ても誰もいない。

時計を見ると5時を指していた。

「5時なのになんでグランドに誰もいねぇんだ…?」

…あ。

昨日からテスト期間で部活とか休みなんだっけ。

荷物を持って教室を出る。

隣のクラスの前を通ると,髪の長い女が机にうつ伏セになっていた。

…起こしてやるか。

俺って親切だな。

教室に入って女の顔を見る。

睫毛なげえ。


「おい,起きろ。」

「…………」

「おーい」

「…………」

「おぉぉきぃぃろぉぉぉ!」

ゆさゆさと体を揺さぶる。

すると女は眠そうに瞼を開ける。

俺を見て,驚いた顔をした。

「喜矢武…くん?!」

「え,なんで俺の名前。」

「だ,だって喜矢武くんたち目立ってるし…。」

え,俺達って目立ってんの?;

「そうか?」

「そうだよ…?あ,私は苗字名前。」

「名前な。ここで何やってたんだ?」

「勉強してたの。…寝ちゃったけど。あ!」

名前はひらめいた!という顔をして

「よかったら勉強教えようか!喜矢武くんバカでしょ?」

と言う。

ん?

「はぁぁぁん!?」

さっき初めましてしたやつにバカとか普通言う!?

失礼すぎんだろ!

「だってこの前のテストで,172人中168位だったんでしょ?」

「なぜそれを…。」

「だってずっと見てたもん。」

…!?

え,ちょ,今名前なんつった!?

いつも見てたってことは…

「それって…"好き"ってこと…?!」

「うん,そうだよ?」

名前はニコっと笑って荷物を持ち教室を出て行った。





*





「名前!昨日の返事なんだけど…さ」

「うん」

「よかったら,俺と付き合ってください。」

「宜しくお願いします。」

ニコっと笑う名前の顔はとても綺麗だった。



END_

⇒あとがき



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ