短編

□こうえん。
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今日のお仕事終わりっ。

今日は雑誌の取材だけだったから6時に切り上げ。

こんな早いの久々かも。

最近忙しかったしね。





事務所を出てまず,空を見上げる。

冬だから6時でも外はもう暗い。

もう星が見える。綺麗だな。


久々に遠回りして帰っちゃおうかな。


少し探検してみようと思い通ったことのない道をわざと選んで入ってみる。

こんな道あったんだなあ。


あ。僕好みの服屋さんが!

また時間があるときにでも行ってみよう。


知らない道っていろんな発見があるから入ってみると面白いんだよね♪

まあ,たまに変なとこに出ちゃったりするんだけど…。笑


公園だ。

すべり台とブランコにジャングルジムにシーソー。

小さい頃はよく遊んだなあ。笑


…ん?

ブランコに誰かいる…

興味本位で近づいてみる。

女の子だ!

下を向いてぼーっとしている。

「あの。」

『!?』

女の子はハッとして僕の方を見る。

「あ,驚かせちゃってごめんね!」

『い,いえ…』

「こんなところで何やってるんですか?寒くない?」

『ちょっと職場で失敗しちゃって、』

「僕でよかったら話聞きますよ?」

女の子は少し黙って実は…と話しだした。


『今日までに完成させなきゃいけない書類をPCで作ってたんですけど,間違えて消えてしまって完成できなくて…。こっぴどく怒らえちゃいました、苦笑』

「そっかあ…。でも人なんだから人生、絶対失敗もある。今日失敗したなら明日成功させればいいんだよ!」

『ありがとうございます』

ニコッと笑う。可愛い。

「じゃあ,そろそろ僕は帰ろうかな。」

『そうですか。じゃあ私も帰ろうかな』

「うん,女の子がこんな暗い中に1人じゃ危ないし。…そういえば名前聞いてなかった。僕,淳。」


歌広場淳ってバレちゃうとあれだから淳、とだけ伝えた。

『淳さんですね。私は名前です。』

名前さんか。名前も可愛いな。

「名前さんね。あ,よかったら連絡先…、」

『あ,いいですよ』

赤外線で連絡先を交換する。

初対面の人に連絡先まで聞くとか初めてかも。笑

「じゃあ後で連絡します。」

『はいっ』

「暗いし送るよ。」

『いえ,送ってもらうのは申し訳ないので大丈夫です。家近いので。』

「そっか。じゃあ,また。」

『はい,さようなら』

笑顔で手を降ってくれるから僕も振り返す。




「たまには遠回りもしてみるもんだなあ。」

僕は名前さんの連絡先を見ながら笑った。



END_


⇒あとがき



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