亀の生活

□お題1
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「ふぃ〜たっだいまぁ〜」

我が家へと帰ってきたミケランジェロは、変装のために被っていた帽子を脱ぎリビングへとやってきた。ただいまと言ったのに誰からの返事もないことに少し寂しさを感じた

「…レオちゃんは瞑想かなぁ。ドニーはラボ…ラフは……いるじゃん」

てっきり外出でもしてるのかと思っていたラファエロはソファでうたた寝をしていた。しかも愛猫と一緒に

「かっわいいなぁ」

膝の上で丸くなってるクランクを撫でるとピクリと耳が反応し起きてしまった

「おはよう、クランク」

漸く見付けたご主人様にクランクはにゃーと鳴いて飛び付いた。喉を撫でればゴロゴロと音を鳴らす

「…んぁ?」

間抜けな声が聞こえたと思えば、ラファエロも目を覚まし大きな欠伸をした

「おはよう、ラファエロ」
「…おぅ…お前、何処行ってたんだ?」
「買い出しだよ。今週、オイラが当番じゃん」

毎週の買い出しは当番制で、今週はミケランジェロであったことを漸く思い出した

「あぁ、そうだったな」
「何だよ〜オイラがいなくて寂しかった?」

ニヤニヤとしながら告げれば、ラファエロはきっと、んなわけねぇだろ、など噛み付くように反論してくる。そう思っていた

「…悪いか?」

返ってきたのは予想外な言葉と表情。ムスッとしているのは相変わらずだが、ミケランジェロを見る瞳は寂しさをしっかり出していた

「…えーと?」
「何だよ、自分から聞いといて」
「いや、まさか、ね…そう返ってくる、とは…」

素直に告げる兄は珍しいとミケランジェロは気恥ずかしさから視線を反らしてしまった。それが気に食わなかったのかラファエロは無言でミケランジェロの腕を引いた
わっ、と言う小さな悲鳴とともにすっぽりと腕の中に収まってしまう

「……ラフ?」
「い、言っとくが…寂しかったのは俺じゃなくて、クランクだからな?」

ぎゅうっと抱き締めてくるラファエロの表情は見えない。愛猫のクランクはソファにちょこんと座って二人を見上げていた

(うーん…どうしたのかな…)

「クランクが寂しかったのかぁ」

苦笑を浮かばせながら呟いてはクランクではなくラファエロの頭を撫でてやると、何しやがると聞こえた

「ラフは可愛いなぁ」
「誰がだ!!」

手を払い除けられることはなかったが、ごんっと頭突きをされた。石頭と悪態を付きながらラファエロの腰に手を回した

「…ラフ」
「あ?」
「好きだよ」
「……知ってる」

へへっと笑って頬にキスをしてやると、擽ったいと言いながらも拒否をしないラファエロにミケランジェロは満足そうに笑った




・「好きだよ」「知ってる」


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