進撃

□自由の翼を君に…01
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「若ー、おかえりなさーい」
「おうっ、ただいま!!」

門をくぐると庭掃除をしていた弟子が迎えてくれた

「若ー、そのー…右手に抱えてる…男は…」

弟子が俺の右手に抱えられた男を凝視してきた

「あぁ、これ?拾った」
「拾ったぁぁ!?」

その時弟子の顔つきが一気に変わった
だが、俺は気にしない

「こいつ俺の部屋で様子見るー。たぶんお前らには迷惑かけねぇから心配すんな!!」

と、俺はその場を去り自分の部屋へ向かった



長い長い廊下を歩き部屋の障子を…手じゃ開けらんなかったから足であけた

「ただいま俺の部屋ー」

部屋に入りその辺に鞄と胴着を無造作に置く
男は朝引きっぱなしで出掛けた布団の上に
謎の機械を取って寝かせる

「見たところ骨折は無いし脱臼とかも無さそうだし…あるのは切り傷のみ…だなー」

部屋にあった救急箱から消毒液やら包帯やらを出して男の傷を治療した



見知らぬ男を拾ってきたという話が舎弟達に拡がり一部の弟子達はこんな話をしていた

「なぁ、若が拾ってきた男…どう思う?」
「いや、若に限ってそんな軟弱な男なんか連れてこないでしょー」
「それにあの男、若の部屋で一晩ってこともあり得るぞ」
「若はお強いから心配無いと思いますけど…」「いやっ!!若は十分お綺麗で魅力的なお方だぁっ!!」

と、見知らぬ男と一晩部屋で…というのが気に入らない様子

その頃俺は…

「ふぉぉぉぉっ!!かっけぇぇー!!」

男が持っていた謎の機械を着けて遊んでいた
「…そろそろ外そ、壊したら大変だし」

さーて、外そうかー。これをこうしてこうで…ぅおっとっと、うわぁぁぁ

ドテンッ!!

「痛ッてて…」
「ん…んん…?」

あ、起きちゃいます?

「おいてめぇ…なぜお前が立体起動装置をつけている」
「あぁ、これ?これ立体起動装置って言うんだ…「なぜてめぇがそれをつけてるかって聞いてんだ。早く答えろ」
「かっこよかったからです…すみません調子に乗りました」

怒ってるみたいだから一応謝っとく

「…てめぇ、見ねぇ顔だな。それに調査兵団でもねぇな?」

と、言葉と共に男の鋭い蹴りが飛んでくる

「っ!!お前、あんまり暴れると傷が開くぞ?」

だが、これでも格闘技はすべて心得ている

俺は男の蹴りを避けた

「っ!?てめぇ、俺の蹴りを避けるとはただ者じゃねぇなっ!!」

またもや男の蹴りが飛んでくる

「チッ…ちょっと手荒だけど…落とすっ!!」

傷が開くのは良くない。男の為にも手荒だが男を締め落とすことにした

男の後ろに周り、首に腕をまわす
そして一気に締める

「っ!!…

うまくいったのか男は意識を失いその場に崩れ落ちた

「はぁ、やっと静かになった…まったく傷が開いたらどうすんだってっ!!」

俺は男を起こして背中を強く叩いた

「っ…」
「まったく、暴れんなよ」

男の瞼が開いた

さすがにさっきの締めが効いたらしく反抗する気配は無い

「まぁ、知らないとこに連れてこられてるから心配なのは分かるけど、まぁー落ち着いて」

部屋の押し入れから座布団を出して男を座らせる

「えっとーまず、俺は黒門 零。よろしくな」

俺は手を差し出すが警戒しているらしくそれに答えてくれない

「警戒すんなってー。俺はお前を助けただけなんだし?」
「俺が…てめぇに?」

なんだよその顔…いかにも俺に助けられたのが嫌そーな顔

「そう睨むなよ、飲み物飲み物何がいい?」
「あぁ?」
「飲み物淹れてくるから、何飲める?」
「もしかして毒でも盛られないか警戒してたり?そんなに心配なら一緒についてこいよ」

障子を開けて廊下に出ると3月といえまだ肌寒い

給湯室へと向かい長い長い廊下を歩く

「お前、名前は?」

隣を歩く男に問いかける

「リヴァイ」

「リヴァイは何者なんだ?」

「調査兵団で兵士長をしていた。」

調査兵団…はさっき聞いたなー
今日は何を飲もうかなー

「はい、好きなもん淹れるから。何がいい?」

んっとー、俺は…ココアにしようかなー

「それでいい」
「あ、同じでいいの?」

あらー、気ぃ使わなくてもいいのにー

「お前毒味しろ、じゃねーと飲めねぇ」

あ、そーか俺がついてこいって言ったんだ

「はーい。毒味しなくてもおいしーですよー」
お気に入りのコップにココアの粉を入れますお湯を注ぎます、おいしいです(^q^)

「ほら、毒なんて入ってないよー」
「そうか、じゃそれ淹れろ」

リヴァイの分もコップに注ぎ部屋へ戻る



部屋に戻ってリヴァイの話を聞く
どうやらリヴァイは異世界から来たらしい

「帰る方法無いならここに住めばいーじゃん」「…」

リヴァイは黙りこんだままだった

「ここに居ればまぁまぁ不便なこと無いし、服は俺のジャージとか貸すし」
「おい。てめぇ…もしかして王か何かか?」

は?王?俺が?ww

「いや、別に王とかじゃ無いし。まー、一家の跡取りってなだけでそんなのじゃねーから」
「俺がいた世界はこんな甘いもんとかは貴重であまり食うことはできねぇ。しかもこの家は無駄がつく位広い」

そーか。確かに無駄がつくほど広い

「まー、日本はそこそこ平和で金があれば色々手に入るしリヴァイがいた世界の"巨人"ってのもいないから戦う必要も無いわけでもないけど一般人はあんまり無いねー。この家に居てくれても構わないから、安心してほしいなー」
「じゃ、帰る方法が見つかるまでここにいてやる」

リヴァイはそう言うとココア飲んだ

「甘ぇ…。」

偉そうなこと言ったと思ったら次は文句かよー

「さっき自分が俺と一緒でいいって言ったじゃん!!」
「コーヒーにしろ」

こんの…我が儘野郎…

まぁ…心開いてくれたみたいだし…いっか♪

そして俺はコーヒーを入れ直し、そのまま遅めの夕飯をリヴァイと食べるのであった
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