MOTHER*短編

□初恋も失恋も
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旅の途中、サマーズで少しの間休憩することになった。
今僕とポーラは浜辺のパラソルの下に座っている。

ポーラが相談したいことがあるから・・・って言ってここに連れてこられた。
本当はまだ博物館にいたかったのだけれど、どうしてもって聞かないから。何かよほど大事な相談事らしい。

外はリゾート地なだけあって日差しが強い。
今までいた博物館との温度差で、普通より多く暑さを感じてしまう。
まぁ、それだけって訳じゃあないけど・・・。


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


――――沈黙。
相談者が僕をここまで強引に引っ張ってきたというのに、当の本人が一向に口を開こうとしない。

耳に入ってくるのは波の音と
初めての海に大はしゃぎするネスの声だけ。

「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

とか

「ぎゃぁあー!!水かかったーーっ!!?」

とか

とにかく一人で騒いでいる。
喜んでいるネスを、微笑ましいなぁなどと思って見ていると、


「微笑ましいわよね。」

ポーラがボソッと呟いた。こちらを見て微笑む。

「あぁ、ホントだな。」

僕も呆れたように笑う。もちろん彼を見下す意味でではない。
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