ギアステvsプラズマ
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目の前にした如何にも怪しい入り口に、ノアはごくりと唾を飲んだ。
ここはチャンピオンロードの洞窟の中。
門番らしき人影はなく、見張りのコイルが居るだけのようだ。
まあそもそも入ることの出来る人間が限られている上、ここは一見何の変哲もない横穴に見える為それでも構わないのだろう。
「……」
それでも用心に越した事はない。
様子を伺わせようと、とりあえずデンチュラのアラネアを送り込んだ。
アラネアはしばらくキョロキョロしていたが、ほんの数分後に真っ直ぐノアの元へ帰ってきた。
「……平気?」
聞こえるか聞こえないかの大きさで問いかける。
もっとも、相手が人間なら絶対に聞こえないが。
アラネアが頷いた。
少なくとも危険な仕掛けはない、ということらしい。
「……」
歩くたびに揺れるのはクダリに貰ったピアスのロザリオ。
お守りとして渡されたのだ。
「コイルか……どうするかなぁ」
近づいたといえどもまだ距離はある為、此方には気付いていないらしい。
ノアはアラネアを肩に登らせ、攻撃のチャンスを待った。
「……アラネア、エレキネット!」
隙を見て小さな声で命令する。 狙いはコイル達を封じることだ。
別に盗みに入るわけではないので、雑魚相手にわざわざ戦ってムダなPPを使う必要はない。
話し合いは背後に力があってこそのもの。 説得しようにも、手持ちがボロボロでは効果がないのだ。
狙い通り、大きめのエレキネットは5匹ほどいたコイルを一網打尽にした。
ノアはそれを見届けるとアラネアを肩に乗せたまま、目の前にぽっかり空いた横穴の中へ入った。