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□途切れた糸
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「奈良一族と山中一族は結婚してはいけない。」
理由は、猪鹿蝶の連携ができなくなるから。
…そう言われたのはなん年前のことだろう……
私は、その日から自分の気持ちに嘘をつき始めた。
シカマルのことを好きになってはいけない。
シカマルと関係を持ってはいけない………
シカマルとはただのチームメイト。それ以上でも以下でもない…

ずっと、そう思い続けた………
でもね?私やっぱ自分の気持ちに嘘つくのは辛かったんだ。

だから、貴方にヤキモチを焼いてもらうために、ワザと違う男の話をした。貴方の側に少しでもいたかった…貴方に少しでも私のことを考えて欲しかった……
気づいてなかったと思うけど…
私はずっと貴方に私のことを思って欲しかったの。
今頃こんなことを言っても遅いことはわかってる………
もしも私が山中一族じゃなかったら?もしも貴方が奈良一族じゃなかったら?…私は正々堂々貴方と付き合えたかもしれない…


こんなことを嘆いても、現実は厳しい。貴方と私は結ばれなかった…貴方と私は近くて遠い。お互いにそんな存在。
貴方の結婚が決まった時、私は心からは祝えなかったわ…
強がって、貴方には勿体無いお嫁さん…とかいっちゃったけど……確かに貴方には勿体無いくらい綺麗な方…
でも………あの人が貴方を思う前から、私は貴方を思っていたの。
貴方の人生の中で、私は外野の人だったの…?
貴方の人生の中で、一瞬でも貴方が私に恋した瞬間はありましたか…?
もしも生まれ変わることができるなら……今度は全力で貴方を狙うわ。
貴方は私の心から好きになった人だから。
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