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□第二章
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∽二章∽

いつものように通学路を歩いていると、ずんと後ろから衝撃がきた。
普通なら倒れるような勢いだが、もう慣れっこだ。
呆れながら振り向いた。

「いい加減止めろよ……」
「あははっ
だって恭輝が驚いてくんないのが悪いんよ?」
「毎日驚けるかっつの」

そう、毎朝咲胡は俺の背中を押してくる。
いい加減にして欲しいものだとは思うが、今さら注意する気にもならないのが現状だ。

「そ、恭輝は仲良してるん?」
「誰とだよ」
「ほら……あの転校生よ。
なんてったっけ?八重桜…ちがう、やえむぐら…」
「……八重苳」

うんうん唸ってる咲胡に助け船を出してやる。

「それやあ!!
うんうん、それ」
「人をそれって言うなよ……」
「あぁ、ごめん。
だけっさ、不思議な奴やけん?」

昨日の会話をふと思い出す。

「まー、そうかもな」
「あの髪、あの眼!!
ハーフなんだろか?」
「あー……」

確かに日本人とは違った、赤茶けた髪と赤色の眼をしていた。
肌の色も白人のように抜けるように白かった。

「聞いてみたらいいんに」
「は?」
「ハーフなんですかってな、聞けばいいんよ。
どうせ席も隣なんし」
「……んだと?」
「席。隣じゃんさ」

初耳だった。
だがそれはひとまず隠しておかなければ。
放課後まで寝てた事がばれてしまう。

「女子どうしお前が聞いた方が良いだろ?」
「あんたねぇ、女子が女子に外見の事言ったら……」

こうなる、ああなると咲胡が説明している間に学校に着いた。

「……だからともかく、恭輝が聞くんよ?」

果たして俺は根負けしたのである。
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